黒鉄

□ジェラシーと呼ぶ程
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「ツバメさんは、俺の憧れのマドンナだ―――って、馬鹿野郎! それ以上恥ずかしい事、言わすな」
「ごめん」
 ヒロトは、申し訳なさそうに言った。 俺もつい感情的になり過ぎた。
「悪ぃ」
 ツバメさんを取るかヒロトを取るか―――俺にとっては、一大事だ。
 ヒロトは、男だ。 もし、女の子だったらなんて酷過ぎやしないか!? そんな先のない未来を夢想するなど……。 何て馬鹿な事なんだろう。
「僕が女の子だったら良かったのに」
 ヒロトは、その綺麗な瞳を潤ませながら言った。 馬鹿野郎、そう言う所も可愛いじゃねぇか。 俺には、ツバメさんと言う心に決めた人がいながら何て事だ。
「お前の所為じゃねぇよ、ヒロト」
「ツバメさんとは、その―――」
 ヒロトは、真っ赤になりながら弁明した。
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