黒鉄
□それでも
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「クロガネは、その恋人とかいないのか!?」
逆にシドウに聞かれた。
「いないいない」
僕は、ぶんぶんと首を振った。
「白鳥と仲が良いじゃないか。 もしかして、付き合っているんじゃないのか」
「ツバメさんとは、ただの友達だよ」
僕は、言った。 ツバメさんは、数少ない女友達の一人だ。
「そうか」
シドウは、合点がいったのか頷いている。
「何で!?」
僕は、怪訝に首を傾げた。
「クロガネも俺と同じなんだなって思ったから」
何が同じなんだろう。 シドウと僕はこんなにも間逆なのに。
「それって、ガールフレンドがいないから!?」
それ位しか思いつかなかった。
「あぁ」
「酷いな、シドウ」
僕達は顔を見合わせ笑った。
「これからも俺と一緒に居てくれ」
シドウは、真顔で僕にそう言った。
そして、僕は心に決めたのだった。 シドウと共に同じものを見つめ前に進んで行こうと―――。
〈了〉
(20120428)