黒鉄

□さかさまのくに
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「そうだね。 シドウ、次の授業は何だっけ!?」
「数学だ。 別にサボっても構わないぞ」
「こらこら」
 あぁ、やっぱり駄目だ。 幾らシドウが剣道以外オール0だからといって、授業をサボるのは良くない。
「クロガネは!?」
「僕の所は、隠居監督だから今日は休みだけど!?」
「そうか。 じゃあ一緒に居よう、クロガネ」
 それって、僕に授業をサボれって言う事か!? 確かに今日は、監督は留守で自習だからサボりにはならないけど―――。 だからと言って、それが授業をサボる理由にはならない。
「そんなの駄目だよ、シドウ」
「相変わらず堅いな、クロガネは」
「だって……」
 僕は言葉に詰まる。
「こういう状況なんだし、 二人で一緒に居た方が連携が取りやすいだろ!?」
「うん……」
 シドウの言う通りだ。 仕方がない次の授業は早退する事にしよう。 休んでも特に問題はない筈だ。 今日は部活もない事だし。
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