黒鉄

□補習
2ページ/2ページ

「オメーらは、剣道に熱を入れるのは誇らしいがよ、勉学の方はお留守だからな」
 隠居が言った。
「オヤジ」
「監督」
「先生」
「いいか、今度の期末テストで赤点を取ったら夏休みはないと思え」
「「「えー!!!」」」
 隠居のその言葉に三人は同時に声を上げた。
「オニ!」
「へいへい、何とでも言えアオハル」
 教師にタメ口を叩けるのはアオハルだけで、シドウもヒロトも黙ったままである。
(夏休み返上は、キツいな)
 そんな中、ポツリとヒロトは溜め息をこぼした。
(クロガネとなら文句は言わないけど、こいつも一緒か。 面倒臭いな)
(何、シドウ!?)
 怪訝な顔でヒロトはシドウを見た。
(いや、何でもない)
 シドウはそう呟くとコホと咳払いをした。
 兎にも角にも、三人の夏休みは、一波乱ありそうだ。






〈了〉
(20120415)
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ