黒鉄
□一緒に帰ろう
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「なぁ、ヒロト―――トンガリとは、どれ位仲が良いんだ!?」
素朴なアオハルの疑問。
「どれ位と言われても……」
ヒロトは、考え込んだ。
「これさ、専ら女子の話題になっているんだぜ。 ツバメさんとかマジで言ってて女って判んねぇ。 あろうことかツバメさんがだぜ!?」「……!」
ヒロトは赤面した。 まさか、姦しい噂話の対象にされている事など皆無だった。 ヒロトはそんなつもりで、シドウに接してきた訳じゃない。
「ヒロト、嘘だと言ってくれ」
と、アオハル。
と、その時、アオハルの背後からスッと風を切る音がした。 言わずもがな、そこにはシドウの姿があった。
「何か変な雑音がしたから」
「テメエ、絶対ワザとだろ」
すかさずアオハルはやり返す。
「シドウ、危ないよそれ」
ヒロトも窘める。 シドウのすぐ竹刀を振り降ろす悪いクセ。