黒鉄

□ケイタイでつないだ運命
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「お前、笑い過ぎだ」
「だって、ごめ……シドウが真顔で言うものだから、つい」
 と言っても、ケイタイ越しだから、今、シドウがどんな顔をしているかは判らない。 だけど、声のニュアンスから伝わってくる。
「そう言うクロガネはどうなんだよ。 今度、テストがあるだろ!?」
 シドウはプライドが高いから、僕に教えを請うのは嫌なのか、わざと遠回しでそう言ってきた。
 実は、僕も剣道を始めてから、成績が下がってきていて、正直マズイのだ。 ここだけの話、アオハルが復学してきてから、それに拍車が掛かっている。 だから、僕が勉強を教える立場じゃないのだけど、それでもポジション的にはそうなるのか。
「判ったよ、シドウ。 今度、僕の家で一緒に勉強しよう」
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