夜空
□二人だけのクリスマス
1ページ/3ページ
12月。 冬休みを間近に控えた頃、ここ白零高校では、今日も稽古に励んでいた。
「次の大会も頑張ろうな」
「はい」
その日、帰り道で夜鷹は空に労いの言葉かけた。 空は、それを素直に応じる。
こうして二人が一緒に帰る様になったのは、帰路が同じだからと言うほんの些細な偶然。
入学した早々、空は憧れの夜鷹に誘われ、良く舞い上がったものだ。
「夜鷹さんと一緒に帰れる! スゲー嬉しい!!」
まるで夢でも見ている錯覚に陥ってしまいそうだ。 それからもう半年になろうとしていた。 こうして夜鷹の傍に居られる事が、いつしか当たり前になっていた。
インターハイが明けたらあっという間にクリスマスだ。
小さな子供だったら誰もが喜ぶその日は、空の誕生日でもあった。 だが、夜鷹には伝えていない。
「俺の誕生日はクリスマスなんです」と。