黒鉄

□つり合わない
1ページ/3ページ

 ヒーローに憧れた。
 そうこーちゃんみたいなヒーローに。
 だから、当時の僕は強くなりたくて沢山勉強したり、色々なスポーツに挑戦してみたりした。
 国語数学理解社会に英国、サッカーにバスケにテニス……でも、どれも駄目だった。 目で見えていても体力が追いついて行かなかった。
 そんな僕に対してこーちゃんは、何でもやってのけてしまう。
 僕は、こーちゃんに憧れる一方でこーちゃんに嫉妬していた。
 ヒーローになりたい。
 でもなれない。
 そんな思いがこーちゃんと再会するまであった。
「お前、ヒロトか!?」
「こーちゃん!」
 関東予選の会場で僕は、こーちゃんと再会した。
 もう会えないと思っていたのに。
 こーちゃんは、僕が小さかった頃、遠くへ引っ越していった。 だからこうして再会出来た事は奇跡に等しい。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ