黒鉄
□つり合わない
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ヒーローに憧れた。
そうこーちゃんみたいなヒーローに。
だから、当時の僕は強くなりたくて沢山勉強したり、色々なスポーツに挑戦してみたりした。
国語数学理解社会に英国、サッカーにバスケにテニス……でも、どれも駄目だった。 目で見えていても体力が追いついて行かなかった。
そんな僕に対してこーちゃんは、何でもやってのけてしまう。
僕は、こーちゃんに憧れる一方でこーちゃんに嫉妬していた。
ヒーローになりたい。
でもなれない。
そんな思いがこーちゃんと再会するまであった。
「お前、ヒロトか!?」
「こーちゃん!」
関東予選の会場で僕は、こーちゃんと再会した。
もう会えないと思っていたのに。
こーちゃんは、僕が小さかった頃、遠くへ引っ越していった。 だからこうして再会出来た事は奇跡に等しい。