黒鉄
□七五三
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「可愛い―――!」
女子に混じってヒロトは言った。 目にしているのは、七五三の写真。 カメラの先を睨み付ける和服の少年は、シドウだった。
「可愛いとか言うな」
流石に可愛いと―――しかも、男子から言われるのはプライドにかかわるのか、シドウは赤面している。
「ごめん」
「そう言うクロガネこそどうなんだよ」
シドウは、ヒロトを睨んだ。
「えっ、僕!?」
写真に写っているのは、七三分け頭の内気そうな少年だった。
「これ、クロガネ君!? ウソ、可愛い!!」
先程から可愛いを連呼しているのは、女子マネージャーの白鳥乙鳥。 そして、さゆりだった。
「馬子にも衣装だな、ヒロト」
「本当だ、可愛い……」
「な、そうだろ、シドウ。 お前も可愛いが、ヒロトも可愛いじゃないか存分に愛でるが良いぞ」