黒鉄
□さよならさんかく
1ページ/3ページ
こーちゃん、待ってよ。
こーちゃん。
僕はいつもこーちゃんの背中を見てきた。
こーちゃんは僕のヒーローだった。
「黒鉄、頼んだぞ」
僕は、シドウに背中を押されコートに出た。
目の前には、こーちゃんがいる。
だけど、今は僕がこーちゃんを倒さないといけない―――プレッシャーと不安が胸を襲う。
「ヒロト、勝負だ」
「うん」
錬兵高校との試合の後で僕はこーちゃんに呼び出された。
僕は、皆と一通り別れた後、こーちゃんと喫茶店に入った。
こうしてこーちゃんと二人になるのは何年ぶりだろう。
「いやぁヒロト、お前強くなったな」
しきりにこーちゃんは感心して僕を見ている。
「そんな……」
「えっと、誰だっけ!? ヒロトと仲が良い金髪の」
「シドウ!?」