黒鉄
□それでも
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「それでも―――」
シドウは言った。
「でも、僕は男だから君の恋人にはなれない」
お互い判っているつもりだった。
幾ら同性同士の交際がオープンになったと言っても僕はそんなつもりでシドウと付き合って来た訳じゃない。
だけど僕は、シドウが好きだ。
その事実は変え様がない。
ライバルとして―――否、それ以上に大切なパートナーとしてシドウが好きなんだと最近気が着いた。
「だが、一緒には居られるだろ」
「うん」
シドウも僕の事を見てくれている。 正直驚いた。 嬉しい。 僕の一方向の思いじゃなかったから。
シドウは、カッコイイし、ガールフレンドがいてもおかしくないと思っていた。 でも、恋愛には興味がないらしく彼女はいない。