黒鉄
□一緒に帰ろう
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「よう、ヒロト。 今日は、お前一人なのか!?」
振り向き様、ヒロトにそう声をかけてきたのは、アオハルだった。
「うん、アオハルも!?」
コクリとヒロトは頷いた。 そして、アオハルの方を見た。
「まぁ、お互い様だな」
そう言いながら、アオハルは、空を仰いだ。
「そうだね」
ヒロトは、アオハルを見ながら、クシャリと笑った。
「所で、トンガリの奴はどうしているんだ!?」
キョロキョロとヒロトを眺めるアオハル。
「多分、学校の道場で一人で素振りをしていると思う」
「多分って、ヒロトお前やたら詳しいな。 そうか。 んじゃ、たまには俺と帰ろうぜ。 一人で帰るより良いだろ!?」
まるで悪戯っ子の様にアオハルは、ウィンクしてみせる。
「いいよ」
そう即答するヒロトに他意はない。 たまには、アオハルと下校するのも悪くない、ヒロトは、思った。