短編★
□変わらぬ日々
2ページ/3ページ
朝、起きたら神威がいなかった。
少し、寂しいような……
いや、そんなはずはない。
けど、
「調子が狂うなぁ。」
私は、食堂へむかった。
向かう途中で、阿伏兎に会った。
「お、ルカいいところに現れた。」
「何か用かな?」
「いや〜、団長が風邪ひいちまって。誰も手があいてなくてよ。」
「それで、私が看病を?」
「そうだよ。おじさんも少し忙しいんだ。頼めねぇかと思ってな。」
「……不本意だけど、私しかいないなら、ね。いいよ。薬は?」
「まだ飲んでないな。」
「てことは、ご飯もまだとうけとっていいね?」
「あぁ。」
「じゃあ、何か作ってくるか。じゃ〜ね。」
というわけで、定番のおかゆをつくった。
食堂に行く、とか言ったけど一応料理は出来るんだよ?
コンコン
「誰?」
「私だよ。」
「ルカ?どうしたのかな。俺がいなくて寂しかった?」
「別に、特には何も。風邪、ひいたから看病してくれって、阿伏兎が。」
「あはは、嬉しいよ。」
「入るよ?」
がちゃ
「ほら、おかゆ。わざわざつくったんだよ?」
「わーい。ルカの手料理だ♪」
「食べる速さは変わらないね。」
「ごちそうさま。おいしかったよ。」
「はい、薬。大丈夫、苦くないようにした。」
「飲まなきゃダメ?」
「もちろんだよ。」
「……。」
「早く治ってもらわないとね。私の調子まで狂う。」
「……。わかったよ。」
あれ?なんか、素直だな。
ごくん
「これで、いいよね?」
「う、うん。あ、えーと。後は、寝ていること!いいね!?じゃ!」
神威が何か言っていたが無視した。
次の日から、いつも通りの変わらぬ日々に戻った。
end
(何だかんだ言って、この毎日が落ち着くんだよね。……あれれ?もしかして好きだったりする?)
(ルカって意外と鈍いんだね……)
あとがき→