君と私
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次の日。
二人は何故か同時に起きた。
「「…おはよう。」」
二人して寝ぼけた顔で挨拶をする。
ルカが立ち上がり、出発の準備をする。
だが、フラフラしておりバタンと倒れた。
シンジは驚いて眠気が覚めた。
ルカに近づくと起きようとはしているが、どうやら力が入らないらしい。
仕方なくシンジはルカを座らせた。
目を瞑ったまま準備をし始めた。
シンジは何故目を瞑ったまま準備が出来るのか不思議だったが自分も支度を始めた。
いざ出発。
だが、まだ眠気があるようで足取りが不安定だ。
「大丈夫か?」
「右曲がって左曲がって真っ直ぐだったか?」
「…は?」
「いや、左の右…右で右?」
「何の話だ?」
「ジム。」
「……。」
あぁなるほど、と思いつつ俺の質問は無視かとため息を吐く。
<マスター…。>
「む?」
<昨日の電波の件ですが…。>
「電波?…あぁあったなー。」
<ギンガ団の仕業だそうです。>
「やはりかー。ん?ギンガ団?それは本当か。」
<やっと起きましたか。>
「冗談か本当かくらい言ってくれ。」
「本当だ。」
「何故ギンガ団が…?」
「隕石を盗っていったそうだ。」
「…隕石、まさかそこまで進んでいたとは…。」
「連中の目的を知っているのか?」
「スパイとして一度幹部になったから。」
「……スパイ?」
「妾の父上、サカキが率いるロケット団に所属はしてはいなかったが
スパイできるほどの実力者がいなくて妾に潜入してくれと頼んできたのだ。
それで適当にやっている内に幹部に出世だ。父上に情報は何もやっていないが
おそらく大体のことはわかっていたのだろう。何も言ってこなかった。」
「目的は何だ。」
シンジはレイジに頼まれたことを聞いてみる。
「新世界の創造。」
「新世界?」
「隕石と三体の湖の神で赤い鎖を作る。その赤い鎖は…。」
「……パルキアとディアルガを捕まえる為のもの。」
「!?空間を司るパルキアと時間を司るディアルガを捕まえるだと?」
「湖の三体の神はそれぞれ意思、感情、知恵を司る。
その三体の力を合わせて作った赤い鎖があれば実現は不可能ではない。
妾がいた時はそこまで判明していた。新世界が出来るのかはまだわからなかったが。」
「新世界を作って何をする気だ。」
「さぁな。ただ、その世界の王となり全てを支配すると言っていた。
その世界を作るにはこの世界を犠牲にするということも知っていたらしいが
どうにも眼中にないらしい。己が野望のためにどんな犠牲も払う。
ボスはそういう奴だった。争いは好まない性格だと幹部の一人が言っていたな。」
「くだらないな。そんなもの。」
「あぁ。くだらない。それよりシンジ。」
「なんだ。」
「ここはどこだ?」
「……(しまった…。)」
<左に行ってください。全く何をしてるんですか…。>
「ルカリオ…いつもすまん…。」
「はぁ…。」
とりあえずは聞きたいことを聞けたのだからまぁいいだろうと
少し、未来を心配しながらルカリオのナビ通りに歩いていったシンジだった。