君と私

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ルカは泣き疲れて眠った。

シンジは嬉しさでいっぱいだった。

思いが通じたのだから。





「シンジ君、レイジさんからよ。」

「ありがとうございます。」

『あ、シンジ。さっきはすまなかったね。』

「何かあったのか?」

『ギンガ団って奴らが隕石を盗って行こうとしたんだ。
数個盗られてしまったけどなんとか全部は盗られなかった。
サトシ君達やスモモの協力のおかげでね。そうだ、エレブーも活躍したよ。』

「……ギンガ団…。」

『ギンガ団を知っているのか?』

「いや、聞いたことがあるだけだ。」

『それはいつ?』

「…さっき、ルカに聞いた。」

『ルカちゃんは知っているのかい?ギンガ団がどんな奴らか。』

「多分な。」

『ステキファッションだとか言ってた。それに隕石を本来の形に戻すとも。
シンジ、ルカちゃんに聞いてみてくれないか?知ってたらだけど。』

「機会があったらな。」

『じゃあ、エレブーをそっちに送る。気をつけろよ、シンジ。』

「フン…。」





まもなくしてエレブーが送られてきた。

レイジが言ったギンガ団。

ルカが怒りをこめて言ったギンガ団。

一体どんな奴らなのだろうか。

隕石を使って何をするつもりなのだろうか。

シンジにはわからなかった。





「ギンガ団、か。」





ルカを見ながら呟いてみる。

くだらない連中なのだろうと頭から消した。

とりあえず今日はもう遅い。

ジムに行くのは明日だ。

少女を抱き上げて部屋へ向かう。

体はすごい華奢だ。

とても軽く、力を入れれば折れてしまいそうなほど。

このか弱い体で全てを背負っていた。

少女にとってどれだけ重かったのだろうか。

どれだけ苦しんだのだろうか。

いや、もういいんだ。

そんなことは考えなくても。

シンジは苦笑しながら明日の対策を考えた。
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