君と私

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二人はやっとのことでトバリシティに着いた。






「ただいま戻った。トバリシティ。」

「一回帰ってきたときの印象はどうだった。」

「やはり、幼い頃とは比べ物にならないくらい町並みが違った。
前まではあのデパートやこんなビルは少ししかなかった。」





目をキラキラさせながら辺りを見渡す。

前回来た時はゆっくりと見なかったのだろうとシンジは悟った。





「ジムの場所は変わったのか?」

「いや、変わってはいない。ジムリーダーは代わったと聞いたが。」

「どんなやつだろうな。」

「フン!どちらにしても倒すまでだ。」

「タイプは?」

「格闘だ。」

「妾が先にやる。お前はポケモンを強くしていてくれ。」

「?どうしたんだ?」

「いや、格闘といえばルカリオだ。同じ格闘と戦いたいと言ってきた。
どうしてもというので、行かせてもらうってうわっ…!」





ルカリオが出てきた。





<速くしてください!>

「相当な気合で結構…うわっっと、シンジ!というわけですまん!」





みるみる小さくなっていった背中。

ルカリオは楽しみなのだろう。

シンジは諦めてポケモンを交換しに行った。

ルカは方向音痴だが今回はルカリオのおかげでジムまで来れた。





<行きますよ、マスター!>

「いつになく元気だな。」





苦笑しながらルカリオについていった。





「ジム戦を頼む。」

「はい、わかりました。ではこちらに。」





フィールドについた。

ジムリーダーはもう位置についている。





「はじめまして!スモモと言います!」

「ルカだ。」

「最初の一体目はアサナンです!」

「ルカリオ。」

「ルカリオですか。私以外に持っている人は初めて見ました!」

「そうか?バトルは三対三、交代は両者とも無し。三体全てが
戦闘不能となれば相手の勝ちだ。」

「え、ちょっと!」

「審判は不要だ。開始の合図と終わりの合図だけでいい。」

「け、けど!」

「いいな?」





眼光を鋭くさせ、審判を睨む。





「では、始め!」

「悪の波動。」





開始直後、アサナンは戦闘不能に。





「アサナン!?」

「次だ。」

「ゴーリキー!いってください!」

「サイコキネシス。」




またも戦闘不能。




「強いですね…。ルカリオ!お願いします!」

「波動弾。」

「こちらも波動弾です!」





中央で爆発。





「連続で波動弾。」

「こちらも連続で波動弾っ!」





ぶつかりあう波動弾は中央で爆発していく。

しかし、ルカのルカリオの波動弾を作るスピードが上がり、
スモモのルカリオに直撃していった。






「ルカリオ!?」

「ここまでだな。」

「勝者、チャレンジャールカ!」

「戻れ。」

「戻ってください。すみませんでした。」

「落ち込むことはない。」

「……。」

「妾はジョウトという地方でチャンピオンをやっているんだ。」

「!チャンピオン、ですか?」

「あぁ。チャンピオンに勝てることはそうそう無い。」

「負けて、当然ですよね…。」

「妾のルカリオ、どうだった。」

「とても強かったです。」

「ならば、そのルカリオももっと強くなれる可能性があるということだ。」

「え?」

「妾のルカリオもお前のルカリオも、皆同じだ。ならば頂点も同じ。
そのルカリオはまだ弱いというだけであり、もっと強くなれる。
そのためにはお前も強くならねばならん。駄目だな。
ルカリオのことになるとこうだ。全く、この癖はどうにかならんものか。
む。体力を回復させておく。ボールをよこせ。」

「これ、コボルバッジです。ありがとうございました。」

「うむ。さて、もうそろそろか。」




そう呟いたとき、扉が開いた。

同時にポケモンの回復も終わった。
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