君と私

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場所は外。

遺跡のようなところだ。





「あなたたちにどうしてもこれを見てもらいたかったの。
ここにはこう書いてあるわ。“全ての命は別の命と出会い何かを生み出す。”」

「全ての命は。」

「別の命と出会い。」

「何かを生み出す。」

「私も昔は勝つことで強くなりたくて、頭がいっぱい。
がむしゃらにポケモンを鍛えていたわ。でもポケモンには
例え同じポケモンでもそれぞれ個性があるの。だから私は彼らのことを
もっとよく知りたいと思った。そして、多くのポケモンたちと出会い、
深く通じ合う内に、何か新しいものが生まれてくることに気づいたのよ。
人とポケモンとの出会いも人と人の出会いも同じ。今日のこの出会いは
きっと私たちの心に新たなものを生み出すわ。あなたたちの言う、
強さに繋がるかもしれない何かをね。私のポケモンを知りたいと思う気持ちは
今では伝説のポケモン、ディアルガとパルキアにまで広がってるの。
いつか、あの二体に会ってみたい。そして、ポケモン世界の根源に触れてみたい。」

「伝説のポケモン、ディアルガとパルキアか。」

「出会えるといいですね。」

「えぇ。」





そこからポケモンセンターに戻っているとき、声が聞こえた。

皆がそちらを向くとロケット団が走っていた。

ヒコザルを持って。




「あれは!?」



ヒコザルは腕に抱えられていた。




「ヒコザルだ!」

「とロケット団?」




シンジとルカは走り出した。

それに続いてシロナたちも走り出した。




「待ちなさーい!」

「ヒコザルを返せ!」




と言っても待つはずがない。

気球で逃亡。

何か言っているが無視。

ヒコザルにさりげなくやられていた。





「ムクバード!ヒコザルを…。」




投げる前に。




「いけ、リングマ!」

「リングマ!?」

「迷いの森のアイツか。」

「破壊光線!」





ヒコザルは気球から脱出。

落ちた場所にシンジが向かう。





「いくら回復の途中だったとはいえ、あんな連中に捕まるとは…。使えないな。」

「そんな言い方はないだろう!?」

「疲れて眠ってたんだからしょうがないわよ!」

「まあいいじゃない。こうしてヒコザルは戻ってきたんだもの。
無事でよかったわね、ヒコザル。」

「そうよね。ヒコザルにかけてあげなきゃいけない言葉って。」

「そうだな。」

「よかったな!ヒコザル。」

「シンジ君?ポケモンたちの為にも今日はポケモンセンターに泊まりなさい。」

「シロナ…。お前。」

「強くなりたいのならね。」

「…わかりました。」

「シンジ、妾は、その。」

「お前もだ。」




ルカは少し俯き気味だ。




「しかし、妾は、あの、気持ち悪いから、その。」

「いいから!行くぞ!」

「……!あ、あぁ。」




ルカは強制的に連れて行かれた。




「大事なのね。」

「シロナさん?どうしたんですか?」

「シンジ君はルカちゃんのことが好きなのね。」

「「「え!?」」」

「見てればわかるわ。ルカちゃんも人間嫌いを治せればいいんだけれど。」

「なんで人間が嫌いなんですか?ポケモンが虐待されてるって知ったからですか?」

「それもあるけど、違うと思うわ。そんな気がするの。」

「いつか話してくれるかな?」

「可能性は低いわね。でも、頑張ればきっと大丈夫よ。」




四人はルカの過去を考えるも何も思いつかなかった。

次は、どこで会うのだろうか。




end
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