キミガタメ
□一話目
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二人は研究所に着き一休みしていた。
「(強いなら俺がいなくてもいいじゃないか。)」
断ろうと思うものの、一度受けたものを断るのは自分の
プライドが許さないと心が言い、なかなか言えない。
そして、離れたくないというのもある。
ここで離れたらずっと会えないと思っているからだ。
「(くそっ!俺は一体どうしたんだ!)」
ついに、何も言えず研究所を出発してしまった。
「はぁ。」
「?」
自分のヘタレさに呆れるしかないシルバー。
それを見て意味がわからないルカ。
「おい、俺と旅にでて、どう思うんだ?」
「今まで、一人で旅をしていたから少し違和感がある。」
「嫌か?」
「いや、慣れていないだけだ。」
「そうか。」
沈黙。
「(なに話したらいいんだ?)」
「(どうすればいいんだ?)」
(シルバー&ルカ)「はぁ。」
今度は一緒にため息を吐いた。
「人とはどんなものなのだろうな。」
「?」
「……さて、出発しよう。」
「あぁ。」
「待って!忘れてたけどこれ、渡しとくよ。」
何かが入った箱を手渡された。
「これは何だ?」
「シルバー君だっけ?にモンスターボールを渡そうと思ってね。
多分、この子のもあるけどこの子がいないときに捕まえるとなったとき、
大変だろうし。それにこの子はモンスターボールじゃなくて他のボールを
持ってると思う。ガンテツさんっていうボール職人の人に作ってもらってるから。」
「この子ではない。私は子供ではない。それに説明も長い。」
「ごめんごめん。じゃあ、気をつけてね…。」
「素人ではない。それを言うならばシルバーに言ってくれ。」
「そうだね…。頑張るんだよ。怪我とかしないでね。」
「……さぁな。」
「え!?怪我する気満々!?あんなことが何回もあったのに懲りてないのかい!?」
「そうだなー。」(棒読み
「本当に気をつけてよ!シルバー君!!」
「な、何だ?」
シルバーはいきなり大きい声で呼ばれて少し驚いた。
「龍騎士ちゃんを守ってやってくれ!ホントに危ないんだ!」
「(コイツ、強いんだろ?)」
「頼むよ!?」
「わ、わかった…。」
ウツギの気迫に負けてしまったシルバーなのであった。
end