短編★
□のんき者
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私は今、こいつ誰だ、というほど無視したい奴がいる。
目の前に。
「あっはっはっは、頭がくらくらするぜよー。」
「(お前が酒を飲みすぎたからだ。)」
ゴチン!
「は?」
「さっきより、ひどくなったぜよー。あれ?なんだか前が赤いのー。」
「(血が出てるぞー。あれ、てか。)そっちじゃなくてこっちだ!」
「ルカー。どこじゃー。」
「こっちだと……言ってんだろーー!」
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「ほんとにすまんのー。」
「本当にな。私はここまでだ。お前一人で大丈夫か?」
「あっはっはー、ついてきてくれんがか?」
「当たり前だ。」
「来てほしいんじゃ」「行かない。」「きついのー。」
「いいから逝け。」
「あっはっはー。泣いていい?」
「(全く。世話が焼ける。)」
「一ヵ月後、ここに来てくれんかの?」
「勧誘はお断りだ。」
「違うぜよ。ただ、会いたいだけじゃき。」
「(このわがままヤロウ!)」
「どうするがか?」
「わかった……。だから、早く行け!陸奥に怒られるぞ!」
「こわいのー。」
「〜〜〜〜辰馬……。」
「どうしたぜよ?」
チュッ
「///これでも怖いと?」
「あっはっはー。ルカは優しいぜよ。」
「は、早く行け!」
「またのー。」
「フン、そのときの私の気分次第だ。」
「ツンデレじゃきに。」
「だ、断じて違う!じゃあな!」
ヒュン!
「速いの〜。」
「(本当に、世話が焼ける奴だ。)」
チラッ
「ま、ああいう馬鹿もいいかもしれない。」
end
(どうしたんでさぁ?)
(いやなんでも無い。迷子をターミナルまで運んだだけだ。)
(サボりですかぃ?)
(違う!)