短編★
□反対
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ある日、私は妙な男(といっても昔から知っているのだが)に呼び出された。
「こんなところに呼び出すとは。何のようだ?仮にもお前は指名手配犯。むやみやたらに外を歩くのは危険だと思うが?」
「クククッ。違いねぇ。」
「それで、何のようだ?」
「大したことじゃないんだがな。」
「それは、私が決めることだ。」
「ルカ、俺とずっといてくれねぇか?」
「…………はぁ!?大したことではないか!それに私がお前と共に行くということは、」
「お前も共犯になるな。」
「……昔からそうだ。自分のためならなんでもする。ま、その方がお前らしいが。」
「来るのか来ないのか、決めんのはお前だ。」
「不本意だが、一応聞いておく。何で私なんだ?仲間なら他にもたくさんいるはずだ。」
「相変わらず鈍い。」
「は?」
「一度しか言わねぇからしっかり、聞いておけ。」
「ん?わ、わかった……?」
「俺は、ガキん時からずっと……。」
「(ずっと?)」
「お前が好きなんだ。愛してる。」
「……(今、なんと?)………はぁ!?」
「うるせぇ。」
「い、いや、し、ししかしな!?あ、あの高杉が、……はうっ。意味わからん。」
「クククッ。どもりすぎだ。」
「あう……う〜。」
「で、返事は?」
「うぐっ!か、構わない!」
「あ?」
「スゥ、ハァ。わ、私もその!す、好きなんだ……。ああーーーー!もういい!この際認めてやる!あぁそうだ!好きなんだ!」
「……!」
「うぐぐ……。」
「クククッ。今日は最高の日だな。」
「むう……。」
「でけぇきれいな月が出て、手に入れたかった女まで手に入った。」
「なっ、何を!?」
「来いよ、今度は離さねぇ。ずっと俺の隣にいろ。」
「うう、わかった。しかし!言われなくてもわかっていたことだ!」
「あぁそうかい。」
「それは、信じていないということか?」
「さぁな。」
「むかつく。しかし、これが惚れた弱みということか。すごい屈辱だ。」
「一生俺と離れねぇよう縛り付けてやらぁ。」
「ひどいな。」
「物でじゃねぇ。心でだ。」
「何気に名言的な言葉言ってる。」
「お前だけは守ってやっから心配すんなや。」
end