短編★

□約束
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ルカはある日の夜、窓の近くに座りながら昔のことを思い出していた。




その部屋には高杉もいた。




「どうした?寝ないのか?」




「違う、かな?寝れないって言ったら寝れないけど思い出してね。」




「何を思い出したんだ?」




「この船に乗ってほしいって言われたときのこと。
 あの時も満月だったなぁってさ。」



「そうだな。」



「今思ったら、約束も守ってくれてるみたいでよかった。」




「あたりめぇだろうが。」



「あはは…。」



「すっかり忘れちまってると思ったんだがな。」




「そう?案外そういうのは覚えてるよ。」






―「俺がお前を守ってやらぁ。だから、俺と来てくれねぇか?」―




「あれは嬉しかったよ。守るなんて言われたことなかったからね。」



「お前は、これからも俺といてくれんのか?世界ぶっ壊すって
いってる奴だ。そこらの攘夷志士より危ねぇ奴だと思うぜ?」




「それでも……なんていうんだろ。惚れた弱み、かな?
好きだからどんなことをしていようとも一緒にいたいんだよ。」



「そうかい。後悔すんじゃねぇぞ。」



「後悔するならついてこないよ。それに、離れたら絶対に後悔する。」




「(俺もこいつがいなくなったら後悔すんだろうな。)」




「晋助、私ね?」



「何だ?」



「晋助と一緒にいて幸せだったよ。だから、これからも一緒にいてね。」



「クククッ。この俺がてめぇを離すわけあるめぇよ。」



「そっか。よかったぁ。」



「ルカ、お前も俺の傍にいろよ?」



「もちろんだよ。」






お前との記憶が


どんな優しい言葉よりも


誰かの優しい言葉よりも


俺の傷を癒してくれる。



これからも


お前を守るために


戦い続けてやる。


end

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