君と私

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シンジとルカの二人は次の町に向けて歩いていた。

クロガネ、ハクタイ、トバリ、ヨスガ、ノモセの五つのジムを制覇。

残りは三つ。

次はミオシティに向かっていた。

その途中、岩場を歩いている時、聞きなれた声がした。

怒っているような感じだ。




「俺はサトシだ!お前は?」

「俺か?人は俺のことをこう呼ぶ。電気パワー全開!!
バリバリのービリビリ伝説!!さすらいのォ!!ショウ様や!!」





知り合いと対峙しているのはどうやら関西弁を喋るやつのようだ。






「なんか長いし意味もわかんない。」

「じゃかましい!!」





ヒカリの言葉に自分を様付けしたショウは怒った。

ヒカリが声に出さずとも、皆そう思っているだろう。

シンジもくだらないと冷ややかな目で見ている。





「では、審判は俺がやろう。」

「そんなもんいらん。」





ライチュウは尻尾を空に出すようにした。





「見てみ。ライチュウは一分でKOにしたるって宣言しとるで。」

「何ぃ…。ふざけるな!!」

「ハッ、ま、せいぜい頑張ってーな。」

「サトシ!ピカチュウ!絶対負けないでね!」

「あぁ!」

「お情けや。先攻は譲ったるわ。」





飼い主が悪いとポケモンも不良になるのか、とルカは密かに思った。

シンジもそう思ったらしくそれなりに強いのだろうなという目で見ている。

猟師のような目だ。

恐ろしく鋭い。





「いくぜ、ピカチュウ。十万ボルト!」





ピカチュウの十万ボルトはライチュウに真っ直ぐ向かって行った。

直撃したのにも関わらず、無傷で嘲笑を浮かべてライチュウは立っていた。

サトシとピカチュウは驚きを隠せなかった。





「ショータイムの始まりや。格の違いを見せたれ!雷や!」






ピカチュウはそれを受け止めた。

どうやらライチュウに負けたくないという意思表示らしい。






「この技なら負けないぜ!ボルテッカー!!」

「上には上がいるっちゅーことを教えたる!ライチュウ!
バリバリほんまのボルテッカーを見せたれや!!」






ボルテッカー同士でぶつかりあい爆発が生まれた。

二匹とも吹っ飛ばされる。






「互角か!?」

「アホ言え!体力じゃライチュウのほうがバリバリ上や!」






ライチュウは余裕で着地した。

一方ピカチュウは、岩に激突してしまった。






「ピカチュウ!大丈夫か!?」





ピカチュウは立ち上がった。

それでも少しつらそうな感じだった。





「よぉし、ピカチュウ!アイアンテールだ!!」

「こっちもアイアンテールや!!」






この技でも互角。

ピカチュウは悔しそうだった。

一方ライチュウは余裕の笑み。

相手を嘲笑っているようにも見える。





「スピードなら負けないぜ!ピカチュウ!電光石火だ!」





ライチュウに直撃。

だが全く効いていない。





「全然効いてへんで。ほなクライマックスや!破壊光線!」

「破壊光線だって?」





ライチュウはパワーを溜め始めた。





「かわすんだピカチュウ!」





しかし、ライチュウは尻尾でピカチュウを岩に縫いとめた。

ピカチュウは身動きが取れない。

もちろん、かわすことなどできやしない。

そのまま破壊光線が発射された。

岩は砕かれ、ピカチュウは吹っ飛ばされた。





「ピカチュウ…!」





ピカチュウは立ち上がろうとした。

そのピカチュウの前にライチュウは立ちはだかった。

ピカチュウは倒れそうになりながらも立ち上がろうとする。

だが、視界が眩んできた。

ライチュウは冷笑を浮かべた。

ピカチュウは倒れてしまった。
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