君と私

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シンジとルカはトバリシティに向かう途中にある
緑豊かなとある町にいた。

なんでも、グライオンが暴れているらしい。

それを捕まえようとこの町に寄ったのだ。





「シンジ、あそこ。」

「行くぞ、マニューラ。」





マニューラを連れてその場に走る。

公園のような場所だった。

サトシ達がいるが無視。





「冷凍ビームだ!」





だが、かわされてしまった。





「シンジ!」

「ヤミカラス、黒い霧だ!」





ヤミカラスをボールから出しながら指示を出す。

すると、グライオンは咆哮した。

仲間を呼んだようで、四方八方からグライガーが飛んでくる。





「避けろ!ヤミカラス。」





また、グライオンが何かを仲間に伝えた。

その後、グライガーとグライオンは風に乗って去ってしまった。

シンジはボールにポケモンをしまう。





「うわさ通りの奴だな。あのグライオンは。」

「(顔がにやけてる…。余程嬉しいのか。使えるポケモンを見つけたことが。
というより、そのうわさを聞いたのは妾だ。しかもポケモンだ。はぁ…。)」

「使えるポケモンはあまりいない。うわさに関しては感謝している。」

「……。」

「顔に出てる。」

「お前、グライオンをゲットしに来たのか?」

「俺の邪魔をするな。いいな?」

「おい!」





シンジとルカは歩き出す。






「風の向きからしてあっちだ。」

「お前は野生か。」

「…木から落ちない為に身に着けたものなんだけどな…。」

「落ちたのか。」

「落ちたというより風で流されたポッポにぶつかって落ちた。」

「同じだ。」

「……。」

「あっちだったな。はぐれるなよ。探すのが大変だ。」

「…了解した。」





ため息を吐きながら歩く。





「そういえば。」

「?」

「なんでこんな町にグライオンがいるんだ?」

「うむ、一匹から聞いた話なんだが。」

「(いつ聞いたんだ。)」

「ある嵐の日に、風でグライオンが上手く飛べなかったらしい。
嵐ともなれば強風だろうし、元々、風に乗って飛ぶポケモンだ。
それで、この町に迷い込んでしまった、ということらしい。」

「だが、森に帰るんじゃないか?」

「グライオンもそうしようとしたが、この町のビルが邪魔をして脱出できない。
ここのビルはほとんどが高層ビル。まぁ、無理もないだろう。
ビル風の風は案外厄介だ。これなら歩いた方がマシだというくらいに。」

「あのグライガーの数は。」

「グライオンやグライガーは障害物を避ける為に超音波を出しているんだ。
その超音波は、この高層ビルの多い街では乱反射され、
町の外にいるグライガーを呼び寄せて、結果がこうなったらしい。」

「物知りだな。」

「ドラゴンポケモンから教えてもらったことだ。」





ハクリューのボールを一撫でする。





「む、風が変わった。さすがにこう、高層ビルが多いと風も変わりやすい。
強さも向きもバラバラだ。今度はあっちだ。」

「……。」

「なんだその目は。」





何かを訴えるような目でルカを見る。





「む、わかったからその目はやめろ。」

「フン!」

「はぁ…。リザードン、高速でグライオンの元へ。」






リザードンを出し、指示を出す。

どうやらシンジは速く移動したいと訴えていたようだ。
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