君と私

□4.5
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「ここがハクタイか…。確か、ジムリーダーはナタネで草タイプだったはずだ。」

「草か。」

「炎、飛行、氷を苦手とする。」

「お前からジム戦をするのか?」

「その方がゆっくりと考えられると思ったんだが?」

「今回は俺から行く。」

「了解した。見学をしてもいいか?」

「あぁ。」





二人は今、ハクタイに到着したところだ。

ここに着く前にあるハクタイの森でポケモンを鍛えていたため
少し遅めの到着だった。





「全く、草タイプのどこがいいのか理解ができん。草は草でも
ドダイトスやジュカイン、キノガッサが一番いい。
ドダイトスは地面があるから炎にも対応できるし、ジュカインは速い。
キノガッサは格闘も覚えるから鋼やノーマルにまで対応できる。
それに深緑、胞子などの特性も生かすことが出来る。」

「(ポケモンのことになると饒舌になる。勉強にはなるが…。)」





だが、信頼している人にしかあまり話はしない。

それを知っているシンジは自分がルカの特別な存在であることに
喜びを感じ、また愛しくも感じた。

自分の悪口を言うやつには干渉しないのに、シンジのことになると
感情を少し露にして怒り、庇ってくれる。

このことにも少し喜びを感じる。

しかし、どんな状況であってもあまり他のやつと話して欲しくはないと思った。






「(他のやつと話すなと言ったらどんな反応をするんだろうな。
軽蔑されるか?それとも、俺のために従うのか?)」

「どうした、シンジ。」





小首を傾げながら不思議そうに尋ねる姿は可愛らしかった。

抱きしめたいという思いを抑えながら、自嘲した。

コイツなら、人間嫌いで大歓迎するかもな、とそう思って
ありえなくはないと肯定する。





「なんでもない。」

「そうか。む、あれがハクタイジムだ。」





ジムの中に入り、受付をした。

そして、ジム戦へ。




「さて、シンジはどんなポケモンでいくのか、楽しみだな。
それにしても、雨が降りそうだ。帰りに降っていなければいいのだが。」

「これより、チャレンジャーシンジ対ジムリーダーナタネのハクタイジム
ジム戦を始めます!使用ポケモンは三体。どちらかのポケモン三対全てが
戦闘不能になったら試合終了です。尚、ポケモンの交代は
チャレンジャーのみ認められます。ではバトル開始!」

「いくわよ!チェリンボ!」

「ヒコザル、バトルスタンバイ!」

「先攻はシンジ君からよ。」

「ヒコザル、火炎車!」

「かわして!」





チェリンボは素早くかわした。

ヒコザルが攻撃した場所から砂が飛んでくる。





「もう一度火炎車だ!」

「かわして!」

「(相手の動きを観察しているのか。)」

「火の粉!」




その攻撃は指示を出す暇もなくヒットした。

効果抜群というのもあってか戦闘不能に。





「戻ってチェリンボ!ありがとう。なかなかね!じゃあ次はナエトルよ!」

「このままで行きます。」

「リーフストームよ!」

「火の粉で迎え撃て!」




相打ち。




「火炎車!」

「やどりぎの種!」

「突っ込め!」




ヒコザルはやどりぎの種にかかってしまったがナエトルに攻撃をヒットさせた。

効果は抜群、かなりのダメージだろう。





「火の粉だ!」

「リーフストームよ!」

「ヒコザル、火炎車!」





これにはナタネも驚いた。

火の粉とリーフストームが相打ちで煙が舞っているというのに火炎車の指示。

命中率が下がるがこちらもどこから来るかわからない。





「かわして!」




見事にかわされた。




「リーフストーム!」

「穴を掘るだ!」




穴を掘って隠れた。

ヒコザルが出てきた場所はすぐ真下。

ナエトルは飛ばされた。





「火炎車!」

「かわして!」






だが、かわすことが出来ずにヒット。

戦闘不能になった。





「ナエトルいいバトルだったわ。すごいわねシンジ君。最後はこの子よ!ロズレイド!」

「火炎車!」

「ウェザーボール!」





この日の天気は雨。

先ほどまでは曇りだったが今は雨が降っている。

よって、タイプは水。

それが直撃した。

火炎車を発動しているとはいえ直撃すれば大ダメージだ。

ヒコザルは飛ばされた。





「マジカルリーフでとどめよ!」

「かわせ!」




ヒコザルは体勢を整えてかわそうとしたが、一足遅かったようでヒット。

ヒコザルは戦闘不能になった。





「戻れ。やはりまだまだか。」

「他の強い技が必要だな。」

「エレキッド、バトルスタンバイ!」




元気よく、出てきた。

気合がものすごいある。





「雷!」

「草結びよ!」




ロズレイドに雷が当たり、草結びがエレキッドに当たった。





「瓦割りだ!」

「フラッシュ!」

「雷!」





フラッシュは雷の光で隠れてしまった。





「やるわね。マジカルリーフ!」

「雷!」

「草結び!」

「瓦割りで下の草を退かせ!」




瓦割りで足元の草をなくしたことで草結びが出来なくなった。





「マジカルリーフ!」

「かわして雷だ!」





マジカルリーフを軽々とかわし、雷をヒットさせる。





「瓦割りだ!」

「受け止めて!」





かわせないと悟ったナタネは受け止めるように指示した。

確かに、ロズレイドは受け止めた。

だが、静電気で痺れた。





「雷!」

「マジカルリーフ!」





また、相殺されるかと思われたが、マジカルリーフの威力が
痺れによって落ちてしまい、ロズレイドに雷が当たる。

ロズレイドは少し耐えるが、やがて地面へと倒れた。





「ロズレイド、戦闘不能!エレキッドの勝ち!よって勝者、チャレンジャーシンジ!」

「戻ってロズレイド。ご苦労様。さすがね!雷には痺れたわ!」

「パワーポイント(PP)を全て使い切るとはな。」

「ハクタイジム勝利の証、フォレストバッジよ!いいバトルだったわ!」

「ありがとうございます。」

「では、妾は明日に来る。ポケモンの回復が必要だろう。」

「えぇ。楽しみに待っているわ!」





ハクタイジムを後にして外に出る。
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