君と私

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ルカは今、ポケギアで誰かと話している。





「もう、こちらへ来たのか。」

『昨日からもう着いてたんだ。早く姉さんに会いたくて。』

「そうか。」

『タッグバトル、今日だから遅れるのは不味い。姉さんと組みたいな。』

「そうだな。妾もあまり素性の知らぬ奴とは組みたくはない。」

『あ、もう会場に着いた。じゃあ、またあとで。』

「あぁ。楽しみに待っているぞ。」




ポケギアを閉じてコートのポケットにしまった。





「弟か?」

「あぁ。今日の大会に出場するんだ。」

「強いのか?」

「今はわからんが、昔は見込みがあった。そこらへんのやつなら負けていたな。」

「それは本当か?」

「あぁ。エントリーしようか。」




二人はエントリーした。

そして、会場へ。

ついに、大会は始まった。




『諸君!バトルしようぜー!!』




歓声が沸く。

ルカは耳を塞ぐ。

弟、シルバーとはまだ会えていない。

ちなみに今、ヨスガ市長エンタという人が司会をして進めている。

そして、ルール説明。




『ルールは簡単。エントリーのときもらったカードは持ってきてるかな?』




皆カードを出した。



『今から諸君のカードのナンバーをここに表示していく。
自分のナンバーと並んだナンバーのカードを持つ者。
それが三日間諸君のタッグパートナーとなるのだ!それでは、行くぞー!それ!』

「(妾は…Dブロックか。シンジとは違うパートナー。そういえばあの子は?)」

『さあ!ナンバーを頼りにタッグパートナーを探してくれ!』

「シルバーはどこにいるのだろうか。」

「呼んだ?」





ルカは後ろを振り返った。




「姉さんの番号は?」

「29だ。」

「俺は3。えーと。」

「ふむ、どこにあるんだ?」

「……。」




それを後ろから見ていたシンジはある意味似ていると思った。

というより、なぜ最初に見なかったのだろうか。

ルカは先ほど確認していたはずだ。

突っ込みどころが多すぎた。




「む、あそこだ。お前は見つかったか?」

「Dブロックの左。」

「妾もだ。よかった。知らん奴だったら即効で負けてやる。」

「それは…;あ、姉さん。友人は誰?どこにいるんだ?」

「そこだ。」

「コイツか。」

「フン!」

「絶対に勝つ。」




シンジはガン無視。




「シンジ、パートナー、あいつじゃないか?」




そちらを向くとサトシ。

明らかに嫌そうな顔をしている。




「お前か、15番は。」

「うわーーお!よろしく!!」




サトシはいきなり声をかけられたからか、声の判別ができなかったようだ。

若干パニックになっている。




「シンジ!?」

「決まったのなら仕方ない。だが、俺の足は引っ張るな!?」

「おい!それがタッグを組む相手に向かって言う言葉かよ!?」




ピカチュウはサトシに何かを伝え、エレキッドの元へ行く。

仲良くしようと思ったらしいがエレキッドにその気持ちはないみたいで
ピカチュウを攻撃してしまった。

それに怒ったピカチュウが電気を溜めているとサトシが触ってしまい感電した。





「使えない奴!」




そこからまた説明が入った。

聞き飽きたであろうルカとシルバーは話をしていた。

そして、いつの間にか終わっていた。




「妾は今回ドラゴンポケモンだけで行こうと思う。」

「リザードンやルカリオは使わないのか。」

「そういうことになるな。ハクリューも出そうか。」

「コンテストに出てたね。」

「このハクリューとあのハクリューは違う。育て方が少し違うんだ。」

「そうなんだ。」

「作戦はしなくてもいいだろう。」

「ねぇ、姉さん。」

「ん?」

「やすらぎの鈴、珍しいの?」

「いや、手に入れられないことはないが珍しいといえば珍しいだろう。
どうしたんだ?欲しいのか?」




シルバーは顔を俯かせている。




「仕方ない。この大会、勝つぞ。シンジがいるから気をつけろ。
当たるとしたら決勝だ。妾も友人とは言えど手加減はしない。
手加減は相手にとって失礼なことだと教わった。全力で行かせてもらう。」

「姉さん…。」

「ほら、行くぞ。」

「ありがとう。」

「礼はいらん。」




二人はフィールドの外に出た。

一回戦目、Aブロックの始まりだ。
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