君と私

□プロローグ
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トバリシティ、とある一軒の家の前に人が集まっていた

少年が二人に大きな鞄を持った少女が一人




「ルカちゃんがいなくなるのは少し寂しいね。
にしても、一人で大丈夫かい?まだ、こんなに幼いのに」

「妾は大丈夫。シンジは大丈夫?」

「俺は大丈夫だ。だが、バトル、できない…」





しょんぼりした自分と同じくらいの少年にルカは
何か思いついたように、その緋色の髪を払った






「…シンジ…。シンジは今まで妾に勝てたことなかったね」

「な…っ!」

「だから、次、会うときは妾よりも強くなっててよ。
もちろん、妾も強くなるけど」

「…約束だぞ!」

「わかってる」





幼い少年少女の小さな約束

小さな約束でも大きな支えとなったことは後になって分かる

そんなとき、長い…永い別れの合図






「ほら!行くぞ!!」

「…時間みたいだね…」

「レイジさん、シンジ、さよならは言わない。また、会おう」

「あぁ」

「元気でね」




少女、ルカは頷き、トラックに乗った

ルカは親に虐待されていた

何があったのかは定かではないが、その親が殺された

それによって、ルカは引っ越すことになってしまったのだ

シンジは次のところでは幸せに過ごして欲しかった

少年と少女は微かな恋心があった

別れたくはなかった

だが、よかったのかもしれない

互いに互い、再会までにやらなければいけないことが見つかったのだから

次に会うときは今よりも強く

そう、大切な人を守れるように…




end

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