キミガタメ

□二話目
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「今日は忙しかったからヨシノシティまでだ。」

「あぁ、泊まる場所はあるのか?」

「トレーナーはトレーナーカードさえ持っていればポケモンセンターに
泊まることができる。一般人は料金が発生するがトレーナーは無料だ。」

「便利だな。」

「そうか?まだまだ改善すべきことはたくさんある。」

「例えば、なんだ?」

「ポケモンの回復装置が一つしかない、ということや部屋の数だな。」

「部屋の数がなんで問題なんだ?」

「年々トレーナーの数が増えていることもあり部屋の数が足りなくなってきている。
だから基本的に一人ではなく必ず二人以上四人以下でなければいけない、
というのが出てきている。それでもまだ部屋の数が足りないんだ。」

「俺らは大丈夫なのか?」

「ここのポケセンは部屋の数は少ないが田舎町やジムが無いことから
立ち寄る人が他の町よりも少ない。だから泊まる部屋は余っている。
それでも二人部屋は避けられない。もたもたするな。速く行くぞ。」

「あ、あぁ。」




これからずっと、というのがシルバーとしては落ち込んだ。

誰かと同じ部屋というのもそうだが相手が女となれば色々問題がある。

シルバーは大きなため息を吐いてこの先に不安を覚えるのであった。





「ポケモンセンターへようこそ。」

「宿泊したい。部屋は隅の方があればいいが…。」

「ありますよ。では鍵を渡しますね。」

「感謝する。」

「ごゆっくりお休みください。」




手馴れた感じで終わらせた。




「お前はいつも誰かと同じ部屋だったのか?」

「私が旅をしていたのは7歳頃だ。その時はそんなに人はいなかった。」

「7歳だと?」

「親にも里にも捨てられたんだ。しばらくこおりのぬけみちに住んでいた。
だが、何かが理由で強くなろうと決心し旅に出た。最初はリオルだけで旅をした。
カントー地方から回って行った。そして今だ。」

「親に捨てられた…。」

「あぁ。」

「出身はどこの街だ?」

「フスベだ。」

「だからドラゴンがメインなのか。」

「いや、ドラゴンタイプは強いが故に傷つけられる。
そういったポケモンを保護していったんだ。一匹は例外だが。」

「ルカリオか?」

「いや、ルカリオも人間に傷つけられたポケモンだ。
最後の一匹、お前に唯一見せなかったポケモンだ。」

「そいつはどうしたんだよ。」

「ドラゴンタイプ使いに付きたかったらしくてな。」

「……。」

「戦ったら了承してくれた。認めてもらえたと言った方が正確か。」





それほど価値のあるポケモンなのだろう。

自分で主人を決める、というのはあまりない。





「苦労した。最後のポケモン、ルカリオでやっと倒せたんだ。」

「…いつか見せてくれるか?」





ルカは少し目を開いた。




「あぁ。構わないさ。ただ、少しここでは無理なんだ。
人気がなく、広い場所というのが条件だ。人気はどうでもいいが
場所に問題があるんだ。このポケモンは少し大きくてな。」

「そうか。誰かに見せたことはあるのか?」

「いや、ないな。」
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