masterpiece

□2個目
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ある日のこと。

高杉は前に三人が金持ちだということをきいたことがあったのを思い出した。

その話が始まったのは昔は明るかったということからだった。

しかし、アクアは答えを言っていない。

何故、明るく振舞っていたルカが今のようになったのかを。

話していくうちに忘れたのかそれとも話したくなかったからか。

話したくないならもとから言わなければいいことだ。

だが、あいつはルカの過去を語った。




(自分で見つけろってことか?)




高杉はそこまで考えて思考を止めた。

何故なら眠くなったからだ。

なんと今は夜の12:30分。

眠くなるのも当たり前だ。

高杉がこんな時間まで起きていた理由はルウとアクアにあった。




「ねぇねぇ!今度はトランプで遊ぼ!」

「夜遅いから帰るのー!」

「一回だけでも、ね!?」

「うちじゃなくてルカは部屋か。そこの暇そうな高杉に頼んでよ。」

「##NAME4##さんも暇そう。」

「家に帰るの!だからそこの高杉に頼んでよ!」

「じゃあ、高杉さ」「やらねぇ。」「……。」

「ほら、遊んであげなって!」

「そうだよ。遊んでよ!」

「誰が遊ぶか。オレァねみぃんだよ。」

「じゃあ、寝てればいいじゃん!」

「てめぇらが寝ないと俺も寝れねぇんだよ。」

「なんで!?」

「……さぁな。」

「意味わかんないし!」

「遊んでよ!遊んでってば〜!!」

「うるせぇ。」

「遊んでっていってるじゃないか!!」

「うるさくすんなや。」

「じゃあ遊んでよ!!」

「あいつが起きちまうぞ。」

「遊んでってば!!」



そのとき、リビングのドアが開いた。




「夜中に騒ぐな。近所迷惑だろうが。」




ルカが阿修羅のような顔をして入ってきて、口を開いた途端に
ルウとアクアの頭に鉄槌を降した。

相当怒っているようだ。

表情こそないが纏っているオーラの黒さが半端ではない。

殺気に近いといえるだろう。

高杉はやな予感がした。



「前に何回も注意したはずだが。起きていても構わないが
近所迷惑にならないよう騒ぐことだけはするなと。
私は言ったと思うのだが?」

「「すんませんでした!!」」

「次、本気で殴るぞ。」

「「ヒィィィ!」」

「高杉、お前は何故止めなかった。近所迷惑になることくらいわかるだろう。
それともなんだ。お前のその頭は飾りか?その飾りを斬りおとしてやるか?」

「す、すまねぇ。」

「起きていた理由はなんとなくわかるが、こいつらを止めろ。いいな?」

「…あぁ。」
(怖ぇな。こいつ。)

「さっさと寝ろ。」

「「はいぃぃぃいい!」」




その後高杉は与えられた部屋に入って寝ようとしたが、
ルウとアクアがぶつかって転んだらしく、
謝れと互いに譲らず喧嘩になったためルカに再び怒られていた。

それが一時間も説教していたのでこちらまで中々寝ることができなかったのだ。

ルカの声は聞こえなかったが返事をする二人の声が大きかったのだ。

家の外に行けば聞こえないが中にいればかなりの大きさで聞こえる。

それで高杉はこんな時間まで起きているのだ。




「あいつ、母親みてぇだな。」




そう、ルウとアクアを起こっている姿は母親みたいだった。

高杉はその姿を見てもとの世界にいた頃の恩師を思い出した。

吉田松陽。

剣の使い方、武士の道、生きる術を教えてくれた。

そして、生きる世界を教えてくれた。

そんな松陽先生とルカの姿がかぶって見えた。

高杉を叱ったのもあるのだろうか。

なんせ、高杉を叱ったことがあるのは昔攘夷戦争で共に戦った仲間と
松下村塾で幼い頃お世話になった恩師、松陽だけなのだから。

怒られるのは紅桜以来だろうと高杉は思った。

そんなことを考えると高杉はいつの間にか寝てしまった。

自分が人殺しだと知っていながら対等に接してくれたルカを思いながら。
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