masterpiece
□1個目
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ルカは買い物を終えた後帰路についていた。
歩いているとき、上から何かが落ちてきた。
どさりという音がした。
「なんだ?」
見てみるとそれは人だった。
血だらけで所々怪我をしているようだった。
幸い、人通りも少なく周囲には誰もいなかった。
ルカは疑問に思った。
「どこから、来たんだ?」
そう、まず、誰なのかではなく、どこからどうやって来たかが問題だ。
この時代に着物を着ている人はいない。
それに加えて、上から落ちてくるというのはありえない。
屋根から屋根へ飛び移っていたとしても、道路の真ん中に落ちるのはない。
ありえないのだ。
時代はずれの着物を着た不思議な人間。
だが、とりあえず。
「連れて行くか。」
という結論にいたった。
怪我をしているし、ここで放っておくほどルカは非情な人間ではない。
家までは近いし、何とか運べるだろうとその人間を担いでルカは歩いた。