おはなし*

□あおっぱな
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頭痛っ。
鼻詰まってくるしい。
くらくらする。
部活中なのに・・・。
あ、目の前が真っ暗になった。
柳沢が僕の名前を呼んだ気がする。

気が付くと僕はベットの上にいた。
隣には心配そうな柳沢。
ちょっと面白い顔してる・・・。

「淳大丈夫か?」
「うん、きっとただの風邪だから。そんなに心配そうな顔しないでよ。死ぬわけじゃないし。くすくす。」
「笑ってる場合じゃないだーね!!」
「だって、柳沢の顔面白いんだもん。」
「淳は失礼な奴だーね。運んでやったのに。」
「ごめんごめん。柳沢ありがとう。でも、本当に焦りすぎ。面白いよ。」
「いきなり倒れたら誰でも焦るだーね、心配だーね。」

あわわしすぎてる柳沢に笑をこらえられなくなって吹き出すと思いっきり怒られた。

「淳さっきからなんだーね。」
「だから焦りすぎだって。そこで焦ってないで飲み物ちょうだいよ。喉乾いた。」

はいはい、と水を渡された。
なんだかぬるいけど飲みやすい。

「柳沢は亮みたいだね。亮はアヒルじゃないけど。」
「俺もアヒルじゃないだーね。」
「柳沢アヒル知ってる?」
「知ってるだーね。それはこっちのセリフだーね。」
「くすくす。」
「で、なんで淳の兄貴みたいなんだーね。」
「面倒見がいい所。」
「・・・褒めてもなにもでないだーね。」
「知ってるよ。まぁ、今度チャーシューもらうけどね。」
「それはぜったいやらない。」
「柳沢のけちー。亮ならくれるよ。」
「俺は亮じゃないだーね。」
「僕病人なんだけどなー。」

柳沢が持ってきてくれた水をもう一口飲もうとした時、ドアをトントン、と叩く音が聞こえた。
この叩き方はきっと観月。
どうぞ、というとほら、当たり。
観月が入ってきた。

「木更津、大丈夫ですか?」
「うん、だいたいね。柳沢が変な顔してるから元気出てきた。」
「それはよかった。」

観月それは突っ込むところだーねと柳沢がわーわー言ってるけど無視しておこう。

「これ、飲みなさい。水だと体を冷やしてしまいますから。」
「ココア?ありがとう。」
「よく体あっためるんですよ?いいですね。」
「うん、わかったよ。」
「風邪をこじらせたら困りますから。それと柳沢。」
「なんだーね。」
「木更津のことちゃんと見てあげるんですよ。辛そうだったら寮母さんに連絡、わかりましたね。」
「了解だーね。」
「では、お大事に。」

観月が出て行ったのを確認してから柳沢と観月ってお母さんみたいだね、と笑った。

「淳顔色良くなってきただーね。」
「そう?」
「よかっただーね。明日は一緒にテニスできそうだーね!!」
「そうだね、明日が楽しみ。」
「じゃあ、もうそろそろ消灯時間だし、寝るだーね。」
「そうだね。あ、ちょっとまってココア飲んじゃうから。」
「それくらい待ってるだーね。」
「ありがと。」
「淳が飲み終わったら電気消すだーね。」
「うん。」

ココアを飲みながら携帯を見てみると、赤澤に裕太、金田やノムタクからメールが届いていた。
亮からもなぜか届いてるし。
くすくすと笑ってると淳早く寝るだーね!と柳沢に怒られた。
はいはい、と返事をして空になったマグカップを置いて僕は布団にもぐった。

「淳、早く元気になれよ。」
「ありがとう、柳沢。おやすみ。」
「おやすみ。」



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