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□永久の愛に眠る
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デジェルED 「永久の愛に眠る」









夏。

ヒュルリー、ドドンと笛や太鼓の音色が鳴り乱れる中。
行き交うのは沢山の人々。

一体どこからこんなに大勢の人が湧いてくるのかと思うほどに
その場所は夜という時間帯に思わしくない賑やかな雰囲気であった。


蒸し暑い夏の夜も、ここぞとばかりにせめぎ合う金魚すくいや水風船、リンゴ飴などの鮮やかな屋台に彩られて涼しげな

雰囲気に一変している。


「はぐれないように」と私の手を引いて歩く彼は頬を僅かに染めながら私の一歩先を歩いていて。
私も私で、着なれない浴衣の裾を握り締めながら熱を持つ右手に意識を集中させていた。



「デ、デジェル・・もうちょっとゆっくり・・」

「!!!・・すみません、緊張してしまって」

何故か足早に前に進もうとする彼を制するように声をかけると、彼は一瞬驚いた後にすぐに眉を下げた。
そう、私は水瓶座(アクエリアス)の黄金聖闘士である彼・・デジェルと共に日本の夏の夜の風物詩「縁日」に来ていた


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