見つけた幸せ

□プロローグ
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肌寒い、季節











バレンタイン一週間前というなんとも微妙な季節に、私は転校した












青春学園










なんとも恥ずかしい、いいや、毎日青春してるのかな、と思ってしまうような校名











通称青学といわれるこの学校に、私は明日から転入するんだ











立海の制服を身にまとって、私は先生方に挨拶しに来たのだ











ここの制服は、明日届くらしい











コーン、











ボールが跳ね返る音がする












音がするほうを見ると、そこにはラケットと黄色いボールを打ち合う少年達










『テニス、だ』











そういえば、赤也もやってたな











そう思っては、苦笑した











私は、やっぱり彼のことが忘れられないらしい











元気にコートを走り回る少年を見て、私は堪らなくなり走り出した











二月なのに小さく、でも色鮮やかな花が咲いている花壇












『っう、ぁ、ひっく、』











零れる涙に声











濡れる花











私の泪なんて浴びたら、枯れちゃう












でも、泪は止まんない












すると、急に視界が黒くなる












「ここで、泣くんじゃねぇ」











低く、でも心配と優しさがこもった声












被せられた赤いバンダナ











それが、私の泪を吸収する











顔をあげて見上げたら











そこには青いバンダナの彼がいた













薫「お前、転校生だろ」











彼のその言葉に、私はただうなずいた










薫「俺は薫。海堂薫だ」












それが私、山桜馨と海堂薫くんの出会いだった









































ここから始まるプロローグ













その数ヵ月後

私は彼の傍に立っている











 
 

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