Butterfly

□Last−After
4ページ/11ページ


ドフラミンゴは、レインの顎を軽く持ち上げ、苦痛に歪む顔を愉快そうに見つめた。


「う……ッ政府……の命を受けて……来たか……?」

「フフ……いいや? ただの見物だ……。血塗られた一族の末裔のな」

「!」


男の冷酷な視線に耐えられず、レインは咄嗟に体を動かしたが、それはさらに体を絞めつけた。


「無駄だ。もがけばもがくほど食い込むぞ……」

「く……!」

「それで、結局どうなんだ?」

「な……に……?」


ドフラミンゴは、レインの剣をすっと抜くと、その胸元に切っ先を向けた。


「お前は一体、誰の女なんだ?」

「……!」


瞬時に剣を振り下ろされ、レインは思わず目を閉じたが、それは見事に布の部分だけを切り裂いた。


「そんなに特別な女には見えねぇがなぁ……?」


ドフラミンゴはまじまじとレインの体を見つめると、露わになった胸を乱暴に掴んだ。


「……ッ!」

「答えによっちゃあ、お前を利用しない手はないからな……。フフッ」

「……」

「ん……? なんだ?」


苦しげに喋ろうとするレインの口元に、ドフラミンゴは耳を寄せた。


「……七……武海……ッといえど、……そこらの海賊とやる事は変わりないッ……だな……」

「!」


いつ殺されぬとも限らないこの状況で、レインはとても愉快に笑って見せた。

しかし瞳だけは強い光を失う事無く、嘲るような視線を向けていた。


「……」


ドフラミンゴは少し虚を衝かれたが、すぐにその顔を歪ませた。


「フフ……はぁ―はっはっはっ!! 面白ぇ!!」


片手でレインの頬を掴むと、笑いを止めながらもう一度顔を寄せた。


「お前も……平和を知らずに育った口だな。……悪くない」

「……」


その時、横から凄まじい殺気と共に斬撃が放たれ、ドフラミンゴはその場から飛び退いた。


「!」


その途端、レインは縛り付けていたものから解放され、どさりとその場に倒れこむ。

なんとか酸素を体に取り込みながら、目だけをその方向へと向けた。


「なんだてめぇ……何やってやがる!?」


そこには、驚きながらも怒りを露わにするゾロが立っていた。


「……ゾロ!」


しかし、近づいたゾロはドフラミンゴの姿に目が釘付けになった。


「ピンク……? おい、派手かっ!」

「フフ……まさか、こいつが本命か?」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ