Butterfly

□After-5
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「それ……見えるようになったら着てみろ」


シャンクスは置いてあるブティックの紙袋を指でなぞらせた。


「うん……」


レインは部屋に戻ってからも、まだぼうっとしていた。

力無くベッドに腰掛けるが、潤んだ目はどこを見るでもなく、所在無げに彷徨っている。

バスロ―ブから覗く上気した肌は艶かしく光り、その抗えない引力に思わずシャンクスは手を伸ばした。


「レイン……」

「!」


シャンクスがバスロ―ブの中の太ももに手を滑らすと、レインはびくっと体を揺らした。

吸い付くような感触が指の腹に伝わり、力を込めるとたちまち弾き返されそうになる。

その奥へ指を這わすように伸ばすとレインは息を呑んだ。

どうやら、先ほどの悪戯を体がまだ引きずっているようだった。

そこはすでにとろりとした水気を含んでいる。


「あっ……!」

「もうこんなになってるのか。……しょうがないな」


シャンクスはレインに口づけると、ゆっくりと押し倒した。

少し舌を絡めただけで、すぐに熱い息が漏れてくる。

シャンクスはそっと紐をほどき、レインのバスロ―ブを開いた。

レインは相変わらず酔ったようにとろんとした目を宙に向けている。

それを見たシャンクスにまた悪戯心が芽生えると、レインの両脚を片手で掴み、持ち上げた。


「やっ……!?」


突然自分の秘部が天井を向いたので、レインは焦って脚をバタつかせた。

しかし、そんな抵抗も虚しく、シャンクスはレインの脚を開くと自分の体を素早く滑り込ませた。


「いやっ……シャンクス……!」

「治療するって言っただろ……」


レインの秘裂は、所々ひびが入ったように赤い筋が入っていた。


「……」


シャンクスはその痛々しく裂けた箇所に舌をのせた。


「あぁっ!」


レインは途端に顔を仰け反らせた。

触れるか触れないかくらいの力で、下から上へと、じっくり舌を這わす。


「あぁ……はっ……あん……」


レインはもじもじするように腰を動かし、すぐにそこをたっぷりと溢れさせた。


「痛かっただろうな……」


シャンクスは蜜を舐めとるように、執拗に舌を動かし続ける。

治療と称したそれは本当に痛みを薄れさせ、疼くような快感をレインに与えた。

その時、際限なく蜜を溢れ出してくる中へとシャンクスは舌を差し込んだ。


「はあぁっ!」


思わずレインは入ってきた舌を締め付けた。

自分の中で生き物のように蠢く舌の感触にレインは堪らず顔を振る。

その度にまだ乾ききっていない金色の髪の毛がばさばさと乱れた。

シャンクスはその様子をちらと見ると、舌を差し込んだまま、レインの肉芽をきゅっと摘まんだ。


「あぁぁっ!」


途端にレインの腰が引きそうになったが、シャンクスはがっちりと押さえて逃がさない。

舌を引き抜くと、今度はその上の突起を口に含み、舌先で弄ぶ。


「ンッあぁ……! あっ、あっ、あぁ……ッ!」


押し殺したような切ない声が室内に響く。

しかし、しばらく無抵抗だったレインが突如シャンクスの肩に手を伸ばした。

息を乱しながら、細かく震える手でシャンクスの体を離そうとする。


「……シャン……クス……。も……いいから……」

「ん……なんだよ……?」


潤ませた目はきちんとシャンクスを捉えているように見えた。


「もういい……お願い……欲しい……」


そのレインらしくない言葉に、シャンクスの欲情は掻き立てられた。

レインの脚は持ち上げたままで、硬く立ち上がった熱い塊を二、三撫で付けてからズブズブと沈める。


「あぁぁっ……!」


この体勢のせいでいきなり奥まで貫かれ、レインの背は綺麗な弧を描いたが、まるでこの瞬間を待ち構えていたように、最初からぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。


「……」


痛みを与えないように慎重に腰を打ちつけながら、シャンクスはレインが以前とは少し変わったと、考えていた。

前にも増して強く美しくなったと思ったが、それはどこか儚げで、ほんの少しの事で一気に崩れ去りそうな、そんな弱さが垣間見えた。

あの件をどういう風に乗り越えたのかはわからないが、レインはまだ混乱しているのではないか、とシャンクスは思った。


「レイン……お前は、美しい……」

「……」


レインは、これ以上シャンクスに踏み込むのが怖かった。

この強くて優しい人の傍にいたら、自分がどこへも行けなくなる気がした。

もっと、弱くなる気がした。

強くなる為に、ここまで一人で来たというのに。

今の自分は、とても弱くて、ひどく醜いのではないだろうか。

目が見えるようになったら、真っ先に海が見たい。

レインはその景色の向こう側に広がるものをふと思い描いた。


「……何、考えてる……?」

「え……」

「今、お前を抱いているのは、俺だ」

「……!」


シャンクスはそう言うと、一層深く突き上げた。


「あぁぁっ! あっ、あっ、あ……!」


珍しく、少し荒っぽいまでの動きにレインは乱された。

もう何も考えられないほどに。

誰の事も、考えられないほどに。
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