Butterfly

□7.終わりの終わり
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「レイン様! お待ちください!!」

「……いやだ」

「私を置いていかれるのですか!」

「私は自由になる。……だから、お前も自由になれ」

「私はそのような事、望んではいません!!」


真っ赤になって怒るスタンレ―を見て、レインは少し笑った。


「ふ……では、叔父の見張りを頼む。もう悪さができないようにな」

「なっ……!? レイン! お前は叔父に向かってそのような……!」

「はっ!! わかりました!!」

「あぁ? ……いや、スタンレ―!?」

「ふふっ……叔父様。スタンレ―は厳しいですよ?」

「いや、レイン! このような男を置いていくな! おい!」

「レイン様! ここでお待ちしております!! 必ず帰ってきてください!!」

「い、いや! 勝手に待つな!!」


レインは最後に振り返ると、大きく笑って見せた。


「じゃあ、行ってくる!!」


そう言って片手を上げ、待たしてあった潜水艦に乗り込んだ。


「レイン様……ご無事で……」

「おい、お前ら! 私の話を聞け―っ!!」


離れていく二人に、レインは心の中でそっと別れを告げた。

今度はいつ戻れるかわからなかったからだ。


「おい、行くぞ……」


ロ―がいつまでも窓に張り付いているレインを部屋の中へと促した。

黙って頷いたが、最後にもう一度その景色を、しっかりと瞼に焼き付けた。

それは、今までの自分と決別する為の儀式のようなものだったのかもしれない。



部屋に入ると、すぐに服を着替えた。

不安が無いわけではなかった。

しかし、ロ―の暗い瞳をしばらく見つめるうちに、不思議と心は落ち着いた。

レインは横になると、安心したようにゆっくりと目を閉じた。







END







あとがき



はい! 終わりましたね。

ここまで読んでくださった皆さん、本当にどうもありがとうございました! 

読み応えのある長編を描きたかったのですが、なんだか、ただダラダラと長いだけの作品になってしまったような気がしてなりません。

これからは、主人公と海賊達のその後を順番にお送りする予定です。

本編とは違って軽い内容にしていこうと思っていますので、軽々しく読んでくだされば光栄です。

それでは、また何かのあとがきでお会いしましょう! 






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