Butterfly

□4.赤髪の
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「おい! レイン!! お前、大頭に添い寝してもらってるんじゃねぇだろうな!?」

「マジかよ!? ははは! やめときな! あの人は港でも女も買わねぇ主義で通ってるんだぜ!?」

「……」


近頃夜中に叫ばなくなったレインを皆がからかった。


「しかし……確かにあの人に女の噂はねぇな。まさか……男が好きとか!?」

「やめろお前! 聞こえたらぶん殴られるぞ!!」

「はははは!!」

「……」


レインは笑い声に包まれた部屋を後にした。










「なぁ……レイン? お前の剣のこれはなんだ?」

「あぁ、ウチの……ベアトリー家の紋章だ」


その時レインはふとビリアが言っていた事を思い出した。


(遺品……もしやこの剣の事か?)

「……」


無言で剣を見詰めたままのレインをシャンクスは面白そうに覗き込んだ。


「ん?」

「いや、父が昔言ってたんだが……。持つ者によってこの剣は変わると……」


その剣はレインの顔を白く映し出していた。


「心の清らかなものが持つと聖剣になるが、邪悪なものが持つと魔剣となり、その身を滅ぼす……と」

「……」

「まぁ、子供の頃に聞かされたからな。おとぎ話みたいなもんだ……」


シャンクスは剣を納めたレインをもう一度引き寄せ、その顔を覗き込んだ。


「で、お前はどっちなんだ……?」

「……ふふ。さぁな……」


二人はいつものように唇を重ねた。


「とりあえず、男好きじゃなくてよかったよ……」

「ん……? 何か言ったか?」

「いいや……」


レインは少し笑うと、もう一度確かめるように唇を合わせた。
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