Butterfly

□4.赤髪の
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「なぁ、軍艦沈めるのはやりすぎだったんじゃねぇか?」

「……もう追ってこれねぇようにする為だ」


ウソップの問いに、不機嫌な顔のゾロが答えた。


「てか、レインがいない事確認した時点であの軍艦に用はなかっただろ!」

「あぁ……。向こうも応戦してくるから仕方がないとは言え……ほぼ、てめぇが斬ったな」

「……」


いつも冷静なゾロが必要以上に熱くなってる事に皆違和感を抱いていた。


「まぁ、やっちまったもんはしょうがねぇよ!! で……結局レインはどこ行ったんだ?」


ルフィがいつものように肉を頬張りながら言った。


「あぁ! それがどえらい船に乗っちまったんだ!! ……聞いて驚くな! かの四皇! 『赤髪』の……」

「シャンクスか!?」

「えぇ〜っ!? お前知ってんのかよ!?」

「ああ! でも……シャンクスんとこなら安心だ!」


その言葉にゾロが素早く反応した。


「おい! 何が、安心なんだ……?」

「……まぁ、彼について悪い噂は聞かないわ……」


ナミが取り成すように二人の間に入った。


「でも……レインの行方についてはまた振り出しだな」


チョッパ―がしょぼんとした顔で呟いた。


「いいえ! 一つだけ……レインがどこに行こうとも必ず行き着く所がある」


ナミの言葉に、チョッパ―は俯いた顔を上げた。


「そうか! 例のジュ―ドって男の所だな!」

「そう。そしてこれ……」


ナミが悪戯な笑顔を見せて広げたそれは、ある王国との通信記録と海図であった。


「お前……! これいつの間に!?」

「ふふ……もちろん軍艦であんた達が暴れている間に盗んだのよ。さすがにお宝はなかったけど……」


ナミはそう言うと少し寂しげな表情になった。


「油断も隙もないとは、お前の事だ!」

(なんであの状況でも宝の事が頭から消えねぇんだ!? ナミ怖えぇ……!)


呆れるウソップと怯えるチョッパ―を尻目にナミは海図を指し示した。


「とりあえず、この王国にヒントはある! どうする? ルフィ!」


ルフィは肉を飲み込むと、目を輝かせた。


「もちろん! 行く!!」
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