Butterfly

□3.別離
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レインの体が仰け反る。

眉を寄せ、快感に身を捩じらせる。

普段弱い所を見せようとしないレインの、そんな姿がゾロにはたまらなかった。

レインの奥底に隠されている顔。

それが見たくて、弱い所を何度も何度も擦り上げる。


「ァ……ッ!」


しかし、ゾロは不思議だった。

この女は何度抱いても抱き足らない。

こんなに肌を重ねてもなお、ひりつくほどの渇求はなんだ。


この女を奪いたい。


拭い去れないそんな想いに胸を締め付けられる。

自分はレインの全てが欲しくなったのかもしれない。


「……ゾロ……ッ」


気付くと、レインの目はこちらを向いていた。


「私、に……ッのめり込むな……」


ゾロの想いを見透かすように、レインは囁いた。


「あ……? 何言ってんだ……」

「……剣が、……鈍る……ッ」


苦しそうに何度も詰まりながら潤んだ瞳を向けてくる。


「……」


ゾロは何か返事をするかわりに、一層深く貫いた。








ゾロがデッキに出るとすぐ、サンジと目が合った。


「……おぉ、エロ剣士」

「……」


ゾロはちらと見ただけで、すぐにまた中に戻ろうとした。

その背中にサンジはさらに言葉を投げかける。


「――本気か?」

「うるせぇ……もう触んな」

「俺は触ってねぇぞ」

「じゃあ、触られんじゃねぇ!!」


そう言うとゾロは叩き付けるように扉を閉めた。


「むちゃくちゃだな。あいつ……」


サンジはそう言いながらも初めて見るゾロの様子に少し驚いていた。
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