Butterfly
□1.終わりの始まり
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前々からこの美しいエバフォ―ル城を手に入れたいと思っていたバルカンは、しばらく兵を引き連れクライズメインに留まった。
日に何度も地下牢を訪れてはレインの体を弄ぶのが、この上ない楽しみだ。
「今日も美しい……」
拘束したレインの背後から荒々しい息を吐きかけ、バルカンは己の欲望を激しく突き立てていた。
「このドレスは気に入ったか? ん?」
バルカンは毎日湯浴みをさせた後、様々な宝飾が施されたドレスを召し替えさせ、それを自らが剥ぎ取る事に悦びを感じていた。
「……子供達は……無事か……」
その言葉を聞いた途端、バルカンはさも面白くなさそうな表情をした。
「またそれか! ……安心しろ。お前が大人しく可愛がられていれば無事は保障してやる!」
この国に住んでいる者を全て皆殺しにしようとしていたバルカンだったが、ジュ―ドの差し金で子供の命だけは奪わなかった。
「お前は美しい……高貴な瞳、陶器のような白い肌……完璧だ……お前は完璧だ……」
うわ言のように何度も何度もレインに囁く。
「しかしなぜ声を上げん? ここはこんなに溢れているというのに……もっと鳴いてみせろ!」
バルカンは激しく突き上げた。
「……」
レインはあれ以来、心と体がばらばらになったようだった。
「ち……! まぁいい。今日は一つ面白い事をしよう……。入れ!」
バルカンが叫ぶと、檻が小さな金属音を立てて開いた。
「……!」
そこに、ジュ―ドが入ってきた。
「貴様……!!」
レインが暴れだしたので、手を縛る枷がガチャガチャと鳴りだす。
「こっちにまいれ!」
「……はっ」
久しぶりに見るその姿は以前と変わらないものだった。
レインは今でもあれが夢でなかったかと思う事がある。
それならば、どんなにいいのだろう。
しかし、バルカンはそんなレインの足を持ち上げ、二人の結合部をジュ―ドに晒してみせた。
「な……!?」
「ここをな……舐めろ」
ジュ―ドはしばしそこを見詰めていたが、
「はい」
と、顔を埋めた。
「やめろ……! やめろ―っ!!」
レインは激しく抵抗したが、前後の二人からしっかりと押さえられていた。
「はははっ! 締まる! 締まるぞ!! もっとやれ!!」
自分を裏切り、国を裏切り、父と母を死に追いやった男に舐められ、体が反応する。
ジュ―ドは、お前の体は知り尽くしていると言わんばかりに何度も弱い所を弄んだ。
逃げても逃げても、その快感は執拗にレインを追い詰める。
「……ッ」
その時、レインの体に、引き裂かれそうな心とは裏腹に電流が貫いた。
「いやぁっ……!!」
ぴちゃぴちゃという卑猥な水音と、バルカンの下卑た笑いが木霊する中で、レインの体は絶頂に達した。
→2.鷹の目の男