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□ 5.終わらない夢
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サンジはデイジーの後を追い、屋敷の中に入っていた。


(なんなんだこの家は……さっきも来たぞ、この部屋……)


永遠にループしているような感覚にとらわれ、もうどちらに行けばいいのかわからない。

しかし、その時あることに気付いた。


(もしかしてクソマリモの日常は……こんな感じなのか……!?)


よほど自分が冷静じゃないのか、ふと関係ない事が頭に過ぎるが、それは妙に納得した。



闇雲に一つドアを開くと、そこには目つきの悪い男達が座っていた。


「……あ〜、失礼」


サンジはしれっとドアを閉めたが、それはやはりすぐに開けられた。


「黒足のサンジだな……」

「……あんたらは?」

「俺らはビショップ・ファミリー! 泣く子も黙る賞金稼ぎだ!!」


そう言うと徒党を組んで襲い掛かってくる。


「……」


サンジはネクタイを少し緩めた。











「痛たたた……」


ナミは頭を打ち付けたものの、幸い大きな怪我はしてないようだった。


「まったく! なんなのよあの女!!」


デイジーの勝ち誇ったような笑顔がずきずきする頭にちらついた。

その時、床についた手の平の感触に気が付いて飛び退いた。


「え!?」


よく見ると、ナミの下で柄の悪そうな男達が気を失っているではないか。

部屋には戦闘の跡があり、どうやらナミが落ちてきたせいで気を失っているわけではないようだ。

何人も重なって倒れている所に運よく落ちたらしい。


「なんで……? でも助かった!」


ナミは男達の束から降りる時に、一人の手に握られているものに気付いた。

それは見取図のようだったが、ナミが見たものとは少し違っていた。


(これは……!)














サンジはまたドアを開けた。

今度は誰もいないようだ。

今まで敵がいる所をずっとたどってきたが、奇しくも、それが正解の道のようだった。


「つー事は……はずれ、か?」


ドアを閉めようとして一瞬躊躇する。

ベッドの中が動いたような気がしたからだ。


「……?」


サンジが見つめるそこからは、美しい脚がゆっくりとした動作で姿を現した。


「……デイジー」

「サンジ……待ってたわ」

「ナミさんはどこだ?」


デイジーはその質問には答えず、妖しく微笑みながら近づいてきた。


「ふふ……必死なのね。なんなら教えてあげてもいいけど、でも……」


そう言うと、デイジーはサンジの首に手を回してきた。


「キスして……サンジ」
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