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□2.サンジ×ナミ
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「サンジくん……いいお知らせと悪いお知らせがあるの……」


ナミが小声で言う。


「ん……なんだい?」

「実は……クリマ・タクトがないの」

「えぇ!?」

「さっきから探してるんだど……どこかに持っていかれたのかも……」


その時、触手が飛んでくる。


「何をごちゃごちゃ言っているっ!!」


二人はすばやく避けたが、


「うっ……」


突然サンジが片足をつく。


「ふんっ。毒が効いてきたわね。何をしようともう無駄よ!」


しかし、この状況でもナミは妙に落ち着いていた。


「……一つあなたに言いたい事があるんだけど」

「なぁに? 命乞いなら……」

「ヒゲ……生えてるわよ」

「!!」


ウロヤはとっさに口を手で覆う。


「やっぱり! あんた男なのね!!」

「!?」


ウロヤは、手を覆ったまま後ずさる。


「な、なぜ……わかった!?」

「ふふっ! 鍵を拝借したときにちょっとね……。そして……」


ウロヤは、そこで初めて自分がビキニを付けていないことを知る。


「あぁっ!!」

「ふふふ……よくできてるわぁ〜これ」


ナミはウロヤのビキニをひらひらとはためかせる。

そのビキニには偽の乳房がついていた。


「このっ……どこまでも人を馬鹿にして!」


ウロヤは、怒りでわなわなと震えている。

しかし、すぐに表情を戻しながら、


「……女じゃないとわかったから何なの!? その男はもう戦えない! あなたは……フフッ武器もないでしょう?」

(! ……やっぱりこいつが!)

「……お〜と〜こ〜だ〜とぉ〜?」


片足を付いていたはずのサンジが、ゆらりと立ち上がった。


「……な、なによ! あなたもう毒で動けないはずじゃ……」

「首肉!」

「!」

「肩肉! 背肉! 鞍下肉! 胸肉! もも肉!!!」


サンジの容赦ない攻撃がウロヤを責め立てる。

それはじっと溜めていたものを吐き出すかのように激しいものだった。


「あっ! あぁっ……!!」

「羊肉ショットっ!!!!」

「ぎゃあぁぁぁーっ!!!」


半分破壊されていた倉庫のもう半分を破壊しつつ、ウロヤは海の彼方に飛んでいった。
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