scar

□2.サンジ×ナミ
5ページ/16ページ


「ぐはっ……!!」


全ての触手がサンジを捕らえていた。


「きゃあっ! サンジくんっ!!」

「あははっ! バカね!」


そのまますごい勢いでウロヤの方へ引きずられていく。


「ふふふ。とんだ王子様ね。このまま何もできずに死になさいっ!!」


毒のついた触手に締め上げられ、サンジは苦しさに顔を歪めている。


「ナミさんには指一本触れさせねぇ……っ!!」


ウロヤは気に入らない、といった表情を見せ、


「ふふ……いいわよ? あなたを殺してからじっくり料理してあげるから」


そう言うと、一気にサンジを投げ放った。


「サンジくんっ! もうやめてーっ!!」


ナミの目には涙が滲んでいる。


「!! ……」


激しく壁に打ち付けられ、サンジはナミの足元に転がった。


「その毒はゆっくり……でも確実に効いてくるわよ……。体が痺れ、目が見えなくなり、心肺機能を低下させていく……」


「……」


ナミはごくりと唾を飲んだ。


「役立たずの王子を恨みなさいっ!!」


さらなるウロヤの攻撃がナミを襲う。


「きゃああっ!!」


その時、ナミの頭上に大きな衝撃が走った。


「何っ!?」


突如建物が崩れ、砂ぼこりと瓦礫でウロヤの視界が塞がれる。


「くっ!! ……どこだっ!!」

「ダイヤモンド以上の硬度ねぇ……」

「!?」


いつの間にか、ウロヤの背後でサンジがタバコをふかしている。


「……手錠はそうでも、それを通していた柱は……違うわよねぇ?」

「なっ!?」


サンジの横には、ナミがいた。


「あっ、そうそう。今の間に鍵もらっといたから!」


銀色に輝く鍵がナミの手の中にあった。

すでに手錠は外れている。


「……くっ! おのれぇ〜っ……」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ