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□2.サンジ×ナミ
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「ぐはっ……!!」
全ての触手がサンジを捕らえていた。
「きゃあっ! サンジくんっ!!」
「あははっ! バカね!」
そのまますごい勢いでウロヤの方へ引きずられていく。
「ふふふ。とんだ王子様ね。このまま何もできずに死になさいっ!!」
毒のついた触手に締め上げられ、サンジは苦しさに顔を歪めている。
「ナミさんには指一本触れさせねぇ……っ!!」
ウロヤは気に入らない、といった表情を見せ、
「ふふ……いいわよ? あなたを殺してからじっくり料理してあげるから」
そう言うと、一気にサンジを投げ放った。
「サンジくんっ! もうやめてーっ!!」
ナミの目には涙が滲んでいる。
「!! ……」
激しく壁に打ち付けられ、サンジはナミの足元に転がった。
「その毒はゆっくり……でも確実に効いてくるわよ……。体が痺れ、目が見えなくなり、心肺機能を低下させていく……」
「……」
ナミはごくりと唾を飲んだ。
「役立たずの王子を恨みなさいっ!!」
さらなるウロヤの攻撃がナミを襲う。
「きゃああっ!!」
その時、ナミの頭上に大きな衝撃が走った。
「何っ!?」
突如建物が崩れ、砂ぼこりと瓦礫でウロヤの視界が塞がれる。
「くっ!! ……どこだっ!!」
「ダイヤモンド以上の硬度ねぇ……」
「!?」
いつの間にか、ウロヤの背後でサンジがタバコをふかしている。
「……手錠はそうでも、それを通していた柱は……違うわよねぇ?」
「なっ!?」
サンジの横には、ナミがいた。
「あっ、そうそう。今の間に鍵もらっといたから!」
銀色に輝く鍵がナミの手の中にあった。
すでに手錠は外れている。
「……くっ! おのれぇ〜っ……」