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□2.サンジ×ナミ
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「……!」
ナミは、頭をかすめる不安を何度も振り払おうとする。
しかし、ウロヤの腕の一部分から視線を外すことができないでいた。
「あの方の失敗は……人間を利用しようとしたこと……そう。あなたをね!」
力いっぱい締め付けられ、ナミは顔を歪ませる。
「……!!」
「ん〜いい顔だわ……。あの方に見せれないのが勿体無いくら…………。はっ!」
ふいにウロヤの顔が強ばる。
「ナミさんに……」
ナミは朦朧とした意識の中で、誰かが近づいてくるのを感じた。
「何してやがんだクソ野郎ーっ!!!」
突如ウロヤは後方へ飛びのき、解放されたナミの体に酸素が戻る。
「……はぁっ……はぁ……サンジくん……!」
「黒足……」
ウロヤは、苦々しい表情ですぐさまサンジに向きなおった。
「てめぇ一体………………はぅっ!!」
「……?」
「君……いや、あなたは何て…………う、美し〜いっ!!」
「……」
サンジは先ほどまでとはまるで別人のような顔つきだ。
全くと言っていいほど締まりがない。
ナミは大きくため息をついた。