scar

□2.サンジ×ナミ
2ページ/16ページ


「……!」


ナミは、頭をかすめる不安を何度も振り払おうとする。

しかし、ウロヤの腕の一部分から視線を外すことができないでいた。


「あの方の失敗は……人間を利用しようとしたこと……そう。あなたをね!」


力いっぱい締め付けられ、ナミは顔を歪ませる。


「……!!」

「ん〜いい顔だわ……。あの方に見せれないのが勿体無いくら…………。はっ!」


ふいにウロヤの顔が強ばる。


「ナミさんに……」


ナミは朦朧とした意識の中で、誰かが近づいてくるのを感じた。


「何してやがんだクソ野郎ーっ!!!」


突如ウロヤは後方へ飛びのき、解放されたナミの体に酸素が戻る。


「……はぁっ……はぁ……サンジくん……!」

「黒足……」


ウロヤは、苦々しい表情ですぐさまサンジに向きなおった。


「てめぇ一体………………はぅっ!!」

「……?」

「君……いや、あなたは何て…………う、美し〜いっ!!」

「……」


サンジは先ほどまでとはまるで別人のような顔つきだ。

全くと言っていいほど締まりがない。

ナミは大きくため息をついた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ