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□2.サンジ×ナミ
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魚人は足をバタバタさせて苦しみに悶えている。


(クソ……! やっぱり力が十分に出ねぇか……)


毒がまわり、サンジの体は限界に近づいていた。


「ぐっ……! 貴様ぁっ!」


その時、アーロンの目付きが変わった。


「……この! 下等種族の分際で!!」

「!」


頭に血が上ったアーロンがサンジに襲いかかる。

サンジは避けようとするも体がうまく動かない。


「くっ……」

「死ねっ!!」


鋭い牙を剥き出しにして、サンジの肩に激しく喰らい付いた。

はずだった。


「!?」


だが、今確かにそこにいたはずのサンジの姿は消えていた。


「なにぃっ!?」


サンジの体は寸での所で何かに突き飛ばされたようだ。


「人間を甘くみてるのは……」

「……!」


かすむサンジの視界の先には、アーロンから遮るようにして立つナミがいた。


「あなたじゃないの? アーロン……」

「ナミさん!」


ナミの手には奪われたはずのクリマ・タクトが握られている。

そこにいるナミは、さっきとはうって違い、アーロンに不敵な笑みを向けていた。


「! ……ナミ……てめぇ……」


だが、その時サンジの眼前に何かが落ちてきた。

それはナミの左腕から滴っている血液であった。

「!」
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