scar

□2.サンジ×ナミ
11ページ/16ページ


ナミは民家のそばで気を失っているようだ。


「くっ……てめぇ……!」

「人間は下等種族……それは変わってないようだな」


アーロンは満足気に笑った。


「立っているのもやっとだろう。動けば動くほど、毒のまわりは早くなる」

(……確かに早いとこ片付けねぇとヤバそうだ)


サンジはかすむ目で何とかアーロンの姿を追う。

その時、アーロンはわざとらしく、何かひらめいたような表情を作ってみせた。


「どうだ? このままでは二人揃って死ぬだけだ。だが、大人しくナミをこちらに渡せば、お前に解毒剤を作ってやろう。もちろんナミの命も保証する。ふっ……いい考えだろ?」


「……」


しかし、サンジはまたしても立ち上がる。


「……そりゃあ、いい考えとは……言わねぇよ」

「ほう……なぜだ?」


そして片足を軸に、目にも留まらぬ速さで回りだす。


「!」

「なな何やってんだ! 目が回るぅ〜……」

「お前ら二人をぶっ潰して……、俺とナミさんはかたく抱き合う……」


サンジの足は高熱を帯びて赤く光りだした。


(まだこんな力が……!?)

「そしていつまでも幸せに暮らすのさっ!!」

「ななな何言ってんだこいつ〜っ!!!」

「悪魔風脚 (ディアブルジャンブ)……」

「!」

サ「海の幸盛り合わせ(フリュイ・ド・メール)!!!」


高熱を帯びたサンジの蹴りは、魚人の体ごとアーロンに襲いかかった。


「うぎゃあちちち〜〜っ!!!」

「ぐはぁっ!!」


吹き飛んで倒れた二人の体の蹴られた部分は焦げ、うっすらと煙が上がっている。


「……それがいい考えってもんだろうが」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ