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□2.サンジ×ナミ
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ナミは民家のそばで気を失っているようだ。
「くっ……てめぇ……!」
「人間は下等種族……それは変わってないようだな」
アーロンは満足気に笑った。
「立っているのもやっとだろう。動けば動くほど、毒のまわりは早くなる」
(……確かに早いとこ片付けねぇとヤバそうだ)
サンジはかすむ目で何とかアーロンの姿を追う。
その時、アーロンはわざとらしく、何かひらめいたような表情を作ってみせた。
「どうだ? このままでは二人揃って死ぬだけだ。だが、大人しくナミをこちらに渡せば、お前に解毒剤を作ってやろう。もちろんナミの命も保証する。ふっ……いい考えだろ?」
「……」
しかし、サンジはまたしても立ち上がる。
「……そりゃあ、いい考えとは……言わねぇよ」
「ほう……なぜだ?」
そして片足を軸に、目にも留まらぬ速さで回りだす。
「!」
「なな何やってんだ! 目が回るぅ〜……」
「お前ら二人をぶっ潰して……、俺とナミさんはかたく抱き合う……」
サンジの足は高熱を帯びて赤く光りだした。
(まだこんな力が……!?)
「そしていつまでも幸せに暮らすのさっ!!」
「ななな何言ってんだこいつ〜っ!!!」
「悪魔風脚 (ディアブルジャンブ)……」
「!」
サ「海の幸盛り合わせ(フリュイ・ド・メール)!!!」
高熱を帯びたサンジの蹴りは、魚人の体ごとアーロンに襲いかかった。
「うぎゃあちちち〜〜っ!!!」
「ぐはぁっ!!」
吹き飛んで倒れた二人の体の蹴られた部分は焦げ、うっすらと煙が上がっている。
「……それがいい考えってもんだろうが」