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□2.サンジ×ナミ
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三人が見合っている後ろでナミは、


(……チャンスだわ! 今のうちに倉庫を調べなおしに行ける!)


誰にも気付かれないように、静かに後ずさった。

そして振り返ると、一気に倉庫に向かって走った。


「!?」


だが、ナミの体は動かない。


「せっかちな上に、油断も隙もねぇなぁ! アーロンさん! やっぱり人間なんて仲間にするのやめましょうよ〜!」


魚人から伸びた二本の長い触腕がナミを捕らえていた。


「ナミさん!」

「うっ……」


そのままナミをぎりぎりと締め上げる。


「くくっ……」

「どーだどーだ! びっくりしただろう! 俺の触腕はこういうときの為に、普段は隠してるのだぁ!」


魚人はナミを締め上げたまま、その他の足で踊っている。


「てめぇっ!! ナミさんを今すぐ離せーっ!!」


サンジが魚人に蹴りかかる。

すると、魚人の踊りはぴたりと止み、


「おぉ。わかった!」


そう言うと、ナミを放り投げた。


「なにぃ!?」

「きゃあぁーっ!!」


ナミは高々と空を舞い、倉庫の隣の民家まで投げ飛ばされた。


「ナミさーんっ!!」


その時、


「どこを向いている……」


アーロンはサンジの顔面を思い切りつかむと、ものすごい力で地面に叩きつけた。


「!!」


サンジの麻痺する体に強烈な痛みが走った。
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