scar

□2.ゾロ×ロビン
8ページ/15ページ


スパンダムは品定めをするかのようにロビンを見下ろしている。


「っ………………」


ロビンは自分が女であるが故の弱さを痛感していた。

こんな男に、恐怖で震えてしまう。

二人の様子を見ていた小人たちは、小さな体を寄せてヒソヒソ話す。


「おい兄弟……船長はニコ・ロビンを独り占めする気じゃねぇか?」

「まさか〜ちゃんと俺らにもまわしてくれるさぁ〜」

「……じゃあ二番目は誰が行くんだ?」


小人たちはそれぞれの顔を見回す。


「……じゃんけんだな」


スパンダムは、ロビンの耳元に醜い顔を近づけ、


「大丈夫だ……俺は本来、女には優しいんだぜぇ」


そう言うと、ロビンの首筋に汚らしい舌を這わす。


「うぅっ……!」


おぞましさに耐えられなくなったロビンの目に涙が滲む。


「じゃ〜んけ〜ん……ぽんっ!」

「あぁっ!」

「やったぞーっ!! 俺が二番目だぁ〜!!」


小人の一人が指を二本立てて飛び上がった。


「ちっ……いいな……」

「二〜番っ! 二〜番っ!」


嬉しそうに小躍りしている。


「……三十六……」


と、その時ドアの向こうから声が聞こえた。


「煩脳鳳っ!!!」


突如、激しい爆音と共に斬撃が小人を襲った。


「二〜番っ! に……ぎゃあぁぁぁ〜っ!!!」

「うぎゃあぁぁぁ〜っ!!」


斬撃はそのまま建物を突き破り、二人の小人達は海の彼方へ消えていった。


「なっ、なんだっ!?」

「!!」

「はぁぁぁ〜っ!! きょ、兄弟〜っ!!」

「行っちまったぁ〜っ!!」


先ほどまでドアがあった場所から、がらがらと瓦礫が落ちてくる。

そこにゾロは現れた。


「あ〜……やっぱここか。よく見りゃ一番デカい建物だったな……」

「ロ、ロロノア・ゾロ!!」

「…………!!」

(ゾロ……!)

「ったく、電伝虫は途中で壊れるしよぉ。………………!」
!」


ゾロの目に、あられもない姿のロビンと、見覚えのある男の顔が飛び込んでくる。


「なっ……! 何やってんだ!? てめぇっ!!」

「ふふ……来たか」


スパンダムはゆっくりとロビンから離れた。


「…………」


ロビンにとって、誰にも見られたくない姿だった。

すぐにゾロから視線を外し、顔を背ける。

その目には涙がこぼれていた。


「…………」


ゾロは、静かに怒りの感情がこみ上げてくるのを感じた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ