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□2.ゾロ×ロビン
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「ったく! 使えんやつらだっ!!」


通話を終えたスパンダムが苛立ちながらこちらへ来る。


「ふふっ……しかし喜べ! ニコ・ロビン。貴様の”元”仲間が来てくれたぞ……」

「!」

「貴様のような女を何度も助けに来るとは……つくづくイカれた輩だ」


美しい瞳から涙が自然とこぼれるロビン。


「…………まぁ、アホな剣士が一人だがなぁ」

(……ゾロ!!)

「はぁ〜っ。しかし麦わらにしろロロノアにしろ、ちんけな海賊の分際で夢は大きいときたもんだ!」


スパンダムは馬鹿にしたように、こちらを向いて大げさなジェスチャーを見せる。


「…………」

「笑わせるのもいい加減にしろっ! やつらはここに辿り着くことすらできないっ!! たとえ辿り着けたとしても貴様を盾にとれば何一つできやしないのだっ!!! 仲間一人救えんで、何が”海賊王”だっ!! ……なぁ〜っにが”世界一の剣豪”だぁ〜〜っ!!!!」

「!」


部屋にいる者がみんな大笑いしている。

ロビンは歯をギリリと噛み締め、ふいに視線を落とした。


「……かわいそうな人ね。あなた……」


その言葉に、スパンダムの動きがぴたりと止まった。


「ぬ・ぁ・ん・だ・と〜?」

「海賊だから夢は持つもの……。自分の利益しか追求しないあなたに笑う資格はないわっ!!」

「……こ・の・女ぁ〜……」

「それに……わたしの身に何があろうとも、ルフィは必ず海賊王になる! ゾロも必ず世界一の剣豪になるわっ!!!」


その時、急に馬乗りになってきたスパンダムから激しく平手打ちされて、ロビンはベットに沈む。


「……う……」


ロビンの頬は腫れ、口元からは血が滲んだ。


「はあぁぁ〜……」


周りを囲む小さなファンから、ロビンの身を案じるような溜息が漏れる。


「貴様のような女が語ってんじゃねぇーっ!!!」


スパンダムは馬乗りになったまま、怒りで震えながらふぅふぅ言っている。

しかし、ロビンの胸元に目をやると、ニタリと笑った。


「いいかっ! 野郎共よく見とけっ!!! ”悪魔の子ニコ・ロビン”といえど、この海楼石の手錠にかかりゃあ……」


ロビンの衣服が勢いよく破られ、形のよい胸元が半分あらわになる。


「……!!」

「おぉぉ〜っ!!」

「……ただの女だ」
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