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□2.ゾロ×ロビン
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「驚いたか? こいつらは海軍に連行される所を俺が助けてやったんだ。だから俺の言うことなら何でも聞く!」

そんなスパンダムの言葉をシカトしながら小人族は続ける。


「俺たちはニコ・ロビンのファンだ〜」

「ニコ・ロビンに会わせてくれるって言うからついてきたんだ〜」

「…………」


身の丈は1メーターほどだろうか。

小柄な体格には似つかないギラギラとした目、口には牙のようなものが見える。


「これからニコ・ロビンと一緒に海賊やれるなんて夢みたいだ〜」

「……え!?」

「ふふふ……そうだ! ありがたく思えっ!! …………貴様を今日から俺たちの仲間にしてやる」

「仲間!?」


いやらしく笑いながらスパンダムはなおも続ける。


「……そうだ。古代兵器を呼び起こしてっ! 共に世界を征服しようじゃねぇかっ!! ……なぁ? ニコ・ロビン」

「…………!」


最も恐れていた言葉を前に、ロビンはしばし動くことができなくなる。


「まぁ、貴様が素直に言うことを聞くとは思っちゃいねぇ……」


くるりとロビンに背を向け、わざとらしい口調で喋ってみせる。


「だ〜か〜ら、気長に待つことにする。貴様が自ら兵器について喋りたくなるまでなぁ」

「…………」


ゆっくりとロビンの方に向き変えた、その醜い顔はみるみる歪んでいった。


「あの時政府が貴様に見せれなかった”生き地獄”っ!!! 俺が長〜い時間をかけて見せてやるってんだよっ!!!」

「!!!」


ロビンの頭の中は次第に嫌な記憶で満たされていく。


「あの時は麦わらに邪魔されたが……あいつはここにはいねぇ。嵐の中っ! 航海士もいない船の上だっ!!! はぁーっはっは!!」


(航海士!? ……ナミに何か!?)

「大丈夫だ……。貴様が寂しい思いをすることのないように、俺たち全員で可愛がってやる……」


ふと見ると、部屋にいる全員がこちらを向いてニヤニヤとしている。


「…………!!」


ロビンはぞっとしながら、身震いを抑えきれなくなっていた。

その時、


「ジリリリリリ!!」


全員がはっとする。

どうやら電伝虫のようだ。
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