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□2.ゾロ×ロビン
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「あ〜っ!! うざってぇ!!」


斬っても斬ってもどこからとなく敵が現れる。


「なんなんだこいつら!?」


戦いながらロビンを探して、だいぶ村のはずれに来たようだった。


「こいつらが減らないのは当たり前だ」

「!」


その声に、振り向きながら刀を構える。


「……お前港にいたな。当たり前とはどういう意味だ?」

「それは…………」


その敵は自分のマントに手をかける。


「こういうことだっ!!」


大きく開いたマントの中からおびただしい数の敵が出てくる。


「!!」


よく見ると、ゾロが今まで倒してきたやつらのようだった。


「はっはっは!! 急ぐことはない! 存分に楽しんでいけ!」

(時間稼ぎか……!)


無数の敵がゾロのまわりをぐるりと囲む。


「……」


全員ニヤニヤしながら徐々に距離をつめてくる。


「ふぅー……」


ゾロはため息をつきながら両腕をだらんと下げた。


「ふふっどうした? 疲れたか?」

「いいや……。今までの自分を悔いてるんだ」

「ハハッ懺悔か?」


その間にも無数の敵たちはゾロのすぐそばまで来ていた。

その中の一人が飛びかかる。


「もらったぁ〜っ!!」

「最初からこうすりゃよかったってなっ!!」

「何ぃっ!?」

「龍……巻っ!!!」


突如、激しい暴風に巻き上げられ、無数にいた敵は一人残らず遥か上空に散っていった。

そして、辺りはまたすぐに不気味な静寂に包まれる。

ゾロは刀を鞘に戻しながら、


「やれやれ。無駄な時間喰っちまった」


はぁっと小さく息を漏らした。
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